学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ D. 出血性素因 / Q1046

理由で解く 臨床医学各論

Q1046 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題57
問題
出血性素因について正しいのはどれか。
選択肢
1 一次血栓はフィブリンで構成される。
2 血液凝固反応にはビタミンCが重要である。
3 血友病は男性には認められない。
4 特発性血小板減少性紫斑病は自己免疫疾患である。
解答
正解4(特発性血小板減少性紫斑病は自己免疫疾患である)
解説
✗ 1. 誤り
一次血栓はフィブリンで構成される。
一次血栓(一次止血栓)はフィブリンではなく血小板で構成される。血管損傷部位に血小板が粘着・凝集して形成されるもろい血栓である。フィブリンで構成されるのは二次血栓(二次止血栓)であり、凝固因子の連鎖反応によりフィブリノゲンからフィブリンが生成され、強固な止血栓を形成する。
✗ 2. 誤り
血液凝固反応にはビタミンCが重要である。
血液凝固反応にはビタミンKが重要であり、ビタミンCではない。ビタミンKは肝臓での凝固因子(第II、VII、IX、X因子)の合成に必須の補酵素である。ビタミンCはコラーゲン合成に関与し、欠乏すると血管壁が脆弱化して壊血病となる。
✗ 3. 誤り
血友病は男性には認められない。
血友病はむしろ男性に認められる疾患である。X連鎖劣性遺伝であるため、X染色体が1本のみの男性に発症し、女性は2本のX染色体により補われるため通常は保因者となる。「男性には認められない」は明らかな誤りである。
✓ 4. 正しい
特発性血小板減少性紫斑病は自己免疫疾患である。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は自己免疫疾患である。血小板膜蛋白に対する自己抗体が産生され、抗体が結合した血小板が脾臓のマクロファージで捕捉・破壊されるため血小板数が減少し、紫斑・出血症状が出現する。急性型は小児に多く、慢性型は20〜40代の成人女性に多い。
ポイント
  • 止血機構は一次止血(血小板血栓=もろい)→二次止血(フィブリン血栓=強固)の順で進行する。
  • 凝固因子合成にはビタミンKが必須であり、ビタミンCは血管壁のコラーゲン合成に関与する。
  • ITPは血小板に対する自己抗体による自己免疫疾患であり、血友病はX連鎖劣性遺伝の遺伝性疾患である。
  • 重要用語: ITP、自己免疫疾患、一次血栓と二次血栓、ビタミンK を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 一次止血 二次止血
構成 血小板血栓(一次血栓) フィブリン血栓(二次血栓)
性状 もろく、はがれやすい 強固で安定
関与する因子 血小板、血管壁 凝固因子(I〜XIII因子)
障害される疾患 ITP、血管性紫斑病 血友病、ビタミンK欠乏
出血パターン 点状出血、粘膜出血 深部出血(関節・筋肉)
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題57|出血性素因について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題57|出血性素因について正しいのはどれか。
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