学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0921

理由で解く 臨床医学各論

Q0921 循環器疾患

出典:あマ指 第33回(2025) 問題54
問題
感染性心内膜炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 歯周病は発症リスクになる。
2 診断には運動負荷試験が有用である。
3 病初期に発熱がみられることはまれである。
4 脳梗塞を併発するリスクは小さい。
解答
正解1(歯周病は発症リスクになる。)
解説
✓ 1. 正しい
歯周病は発症リスクになる。
感染性心内膜炎は心内膜(特に弁膜)に細菌などが感染して疣贅(vegetation)を形成し、弁の破壊・弁穿孔を起こして心不全に発展する難治性の疾患である。起炎菌は弱毒菌の場合が多く、血行性感染をきたす。歯周病は口腔内の細菌が歯科処置時や日常の歯磨き時に血中に侵入する機会を増やすため、発症リスクとなる。心臓弁膜症や先天性心疾患など基礎疾患を有する患者では特にリスクが高い。
✗ 2. 誤り
診断には運動負荷試験が有用である。
感染性心内膜炎の診断には心エコー検査(疣贅の検出)と血液培養(起炎菌の同定)が有用である。運動負荷試験は狭心症など冠動脈疾患の診断に用いる検査であり、感染性心内膜炎の診断には不適切である。感染症の診断には微生物学的検査と画像検査が基本となる。
✗ 3. 誤り
病初期に発熱がみられることはまれである。
感染性心内膜炎では感染症状として病初期から発熱がみられることが多く、不明熱の重要な鑑別疾患の一つである。心雑音を聴取する患者に不明熱が持続する場合は本疾患を疑うべきである。「発熱がまれ」は誤りであり、発熱は必発に近い症状である。
✗ 4. 誤り
脳梗塞を併発するリスクは小さい。
感染性心内膜炎では弁膜上に形成された疣贅が剥離して血行性に塞栓を起こし、脳梗塞を含む全身の塞栓症を併発するリスクが高い。血栓ははがれると脳や腎臓、四肢などに流れていき末梢の血管をつまらせる。脳梗塞は感染性心内膜炎の重要な合併症であり、「リスクが小さい」は明確な誤りである。
ポイント
  • 感染性心内膜炎は弁膜に疣贅を形成する難治性疾患であり、口腔内細菌の血行性感染が重要な発症契機となるため歯周病はリスク因子である。
  • 感染性心内膜炎の3つの柱は「発熱+心雑音+塞栓症」であり、不明熱+心雑音のある患者では本疾患を疑う。
  • 心臓弁膜症や先天性心疾患(心室中隔欠損症など)の基礎疾患を有する患者に多く、4週間程度の抗生物質投与が必要となる。
  • 重要用語: 感染性心内膜炎、疣贅、歯周病、血液培養、塞栓症 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題54|感染性心内膜炎について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題54|感染性心内膜炎について正しいのはどれか。
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