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理由で解く 臨床医学各論

Q0164 消化管疾患

出典:あマ指 第33回(2025) 問題55
問題
大腸癌の危険因子でないのはどれか。
選択肢
1 食物繊維摂取
2 大腸腺腫
3 潰瘍性大腸炎
4 胆嚢切除
解答
正解1(食物繊維摂取)
解説
✓ 1. 誤り
食物繊維摂取
食物繊維摂取は大腸癌の危険因子ではなく、むしろ大腸癌のリスクを低減する保護因子とされる。食物繊維は便容量を増加させ、腸管通過時間を短縮することで、発癌物質と大腸粘膜の接触時間を減少させる。また、腸内細菌による短鎖脂肪酸の産生を促進し、大腸粘膜の健康維持に寄与する。野菜・果物・全粒穀物の摂取が推奨される。
✗ 2.
大腸腺腫
✗ 正しい。大腸腺腫(腺腫性ポリープ)は大腸癌の前癌病変であり、重要な危険因子である。腺腫→癌の連続(adenoma-carcinoma sequence)として、腺腫が徐々に異型度を増して癌化する過程が知られている。大腸内視鏡検査で腺腫を発見した場合は、癌化を防ぐために切除することが基本である。
✗ 3.
潰瘍性大腸炎
✗ 正しい。潰瘍性大腸炎は長期経過例で大腸癌のリスクが上昇する危険因子である。発症後10年以上経過し、特に全大腸炎型では癌化率が高まることが報告されている。長期にわたる慢性炎症により異型上皮が出現し、大腸癌に進展する。定期的なサーベイランス内視鏡が必要である。
✗ 4.
胆嚢切除
✗ 正しい。胆嚢切除は胆汁酸の代謝変化をきたし、大腸癌のリスク因子として報告されている。胆嚢切除後は胆汁が持続的に腸管に流入し、二次胆汁酸の産生が増加する。二次胆汁酸(デオキシコール酸など)は大腸粘膜に対する発癌プロモーターとして作用すると考えられている。
ポイント
  • 大腸癌の危険因子として高脂肪食・低繊維食、大腸腺腫、潰瘍性大腸炎(長期経過例)、胆嚢切除後などが知られている。
  • 食物繊維摂取は保護因子であり、便容量増加と腸管通過時間の短縮により発癌物質との接触を減少させる。
  • Adenoma-carcinoma sequence(腺腫-癌連続)は大腸癌の多段階発癌モデルであり、腺腫性ポリープの発見時は癌化予防のため内視鏡的切除が基本である。
  • 重要用語: 食物繊維(保護因子)、大腸腺腫、adenoma-carcinoma sequence を正確に理解しておくこと。
比較表
因子 分類 機序
食物繊維 保護因子 腸管通過時間短縮、短鎖脂肪酸産生
大腸腺腫 危険因子 前癌病変(adenoma-carcinoma sequence)
潰瘍性大腸炎 危険因子 慢性炎症による異型上皮の出現
胆嚢切除 危険因子 二次胆汁酸の増加
高脂肪食 危険因子 胆汁酸分泌増加
赤肉・加工肉 危険因子 ヘム鉄、ニトロソ化合物
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題55|大腸癌の危険因子でないのはどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題55|大腸癌の危険因子でないのはどれか。
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