学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0165

理由で解く 臨床医学各論

Q0165 消化管疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題59
問題
炎症性腸疾患について正しいのはどれか。
選択肢
1 クローン病は大腸に限局する。
2 潰瘍性大腸炎は非連続性病変を示す。
3 食生活の欧米化により患者数が増加した。
4 赤沈は病勢を反映しない。
解答
正解3(食生活の欧米化により患者数が増加した。)
解説
✗ 1. 誤り
クローン病は大腸に限局する。
クローン病は大腸に限局しない。「舌から肛門部まで消化管のあらゆる部位に病変がみられ」とされており、口腔から肛門まで消化管全体に病変が生じうる。回腸末端から大腸に好発するが、小腸のみの病変や口腔内病変もみられる。大腸に限局するのは潰瘍性大腸炎である。
✗ 2. 誤り
潰瘍性大腸炎は非連続性病変を示す。
潰瘍性大腸炎は連続性病変を示すのであり、非連続性ではない。非連続性(飛び石状:skip lesion)の病変を示すのはクローン病の特徴であり、「非連続性病変」がクローン病の内視鏡所見として挙げられる。
✓ 3. 正しい
食生活の欧米化により患者数が増加した。
炎症性腸疾患(IBD)は食生活の欧米化により患者数が増加した。増加傾向にあるとされている。高脂肪・高蛋白・低繊維の食生活への変化が腸内細菌叢に影響を与え、免疫異常を介して発症に関与すると考えられている。日本では1970年代以降に患者数が急増している。
✗ 4. 誤り
赤沈は病勢を反映しない。
赤沈は炎症性腸疾患の病勢を反映する。赤沈亢進、白血球増加、CRP高値などの血液炎症所見が病勢の診断に用いられるとされている。赤沈やCRPは疾患の活動性の指標として重要であり、治療効果の判定にも用いられる。
ポイント
  • 炎症性腸疾患(IBD)は食生活の欧米化(高脂肪・低繊維食)に伴い日本でも患者数が増加傾向にある。
  • クローン病は口腔から肛門まで消化管全体に非連続性(飛び石状)の病変を生じ、潰瘍性大腸炎は大腸に限局して直腸から口側へ連続的に進展する。
  • 赤沈・CRPなどの血液炎症所見はIBDの病勢を反映し、治療効果の判定にも用いられる。
  • 重要用語: 炎症性腸疾患, 食生活の欧米化, 連続性病変, 非連続性病変, 赤沈 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 潰瘍性大腸炎 クローン病
病変範囲 大腸に限局 消化管全体
病変の連続性 連続性 非連続性
好発部位 直腸 回腸末端
好発年齢 幅広い 若年成人
性差 差なし 男性に多い(2:1)
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題59|炎症性腸疾患について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題59|炎症性腸疾患について正しいのはどれか。
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