学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0886

理由で解く 臨床医学各論

Q0886 循環器疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題76
問題
「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患に最も有用な血液検査項目はどれか。
選択肢
1 ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド
2 アルカリフォスファターゼ
3 ロイシンアミノペプチダーゼ
4 リパーゼ
解答
正解1(ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド)
解説
✓ 1. 正しい
ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド
BNP(ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心室壁の伸展刺激により分泌が増加するホルモンである。 拡張型心筋症による心不全では左室の拡大に伴いBNPが著明に上昇し、心不全の診断と重症度評価に最も有用な検査項目である。 NT-proBNPも同様の目的で測定され、心不全の経過観察や治療効果判定にも広く用いられる。
✗ 2. 誤り
アルカリフォスファターゼ
ALP(アルカリフォスファターゼ)は肝胆道系疾患(閉塞性黄疸など)や骨疾患で上昇する酵素である。 胆汁うっ滞を伴う肝胆道系疾患ではγ-GTPとともに上昇することが多い。 心不全の評価には用いられず、本症例には不適切である。
✗ 3. 誤り
ロイシンアミノペプチダーゼ
LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)は肝胆道系疾患のマーカーであり、胆汁うっ滞で上昇する。 閉塞性黄疸や胆管炎の診断に用いられるが、心不全の評価には用いられない。 ALP・γ-GTPとともに胆道系酵素として分類される。
✗ 4. 誤り
リパーゼ
リパーゼは膵疾患(特に急性膵炎)の診断マーカーであり、膵細胞が破壊されると血中に逸脱する。 急性膵炎ではアミラーゼとともに上昇し、リパーゼの方が膵特異性が高いとされる。 心不全の評価には用いられない。
ポイント
  • BNP(ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心室壁の伸展刺激で分泌が増加し、心不全の診断・重症度評価に最も有用である
  • 各検査項目の臓器特異性を整理: BNP=心臓、ALP・LAP=肝胆道系、リパーゼ=膵臓
  • 膵疾患の血液検査にはアミラーゼ・リパーゼが重要であり、特にリパーゼは膵特異性が高い
  • 心不全のマーカーにはBNPのほかトロポニン(心筋障害)、CK-MB(心筋梗塞)なども関連する
  • 重要用語: BNP, 心不全, 拡張型心筋症, 心室壁伸展 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 対応臓器 上昇する代表的疾患
BNP 心臓 心不全(拡張型心筋症など)
ALP 肝胆道系・骨 閉塞性黄疸、骨疾患
LAP 肝胆道系 胆汁うっ滞、閉塞性黄疸
リパーゼ 膵臓 急性膵炎
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題76|「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患に最も有用な血液検査項目はどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題76|「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患に最も有用な血液検査項目はどれか。
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