学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0887

理由で解く 臨床医学各論

Q0887 循環器疾患

出典:あマ指 第31回(2023) 問題55
問題
肺水腫でみられにくい所見はどれか。
選択肢
1 起坐呼吸
2 口すぼめ呼吸
3 肺野の水泡音
4 ピンク色の泡沫状痰
解答
正解2(口すぼめ呼吸)
解説
✗ 1.
起坐呼吸
✗ 正しい。起坐呼吸は肺水腫の典型的な症状であり、臥位では肺うっ血が増悪するため坐位をとる。 心不全による肺水腫で高頻度にみられる重要な所見である。 臥位になると静脈還流が増加し肺うっ血が悪化するため、患者は自然に起坐位を好む。
✓ 2. 誤り
口すぼめ呼吸
口すぼめ呼吸はCOPD(特に肺気腫)の患者が呼気時に気道の虚脱を防ぐために行う代償的呼吸法であり、肺水腫とは関連しない。 肺水腫は肺うっ血による病態であり、気道の閉塞や虚脱は主病態ではないため、口すぼめ呼吸を行う意義がない。 口すぼめ呼吸 = COPD、起坐呼吸 = 肺水腫・心不全・重症喘息と結びつけて覚える。
✗ 3.
肺野の水泡音
✗ 正しい。肺野の水泡音(湿性ラ音)は肺胞内に液体が貯留した肺水腫の典型的聴診所見である。 肺うっ血により漏出した液体が肺胞内で気泡を形成し、水泡音として聴取される。 聴診上、両側肺野にびまん性に水泡音が聴取されるのが特徴である。
✗ 4.
ピンク色の泡沫状痰
✗ 正しい。ピンク色の泡沫状痰は重症肺水腫の特徴的所見である。 肺胞内に血液成分を含む滲出液が溢れ出し、泡立った痰として喀出される。 ピンク色は赤血球の漏出によるものであり、重症度の高い肺水腫を示す重要な所見である。
ポイント
  • 口すぼめ呼吸はCOPD(肺気腫)に特徴的な所見であり、肺水腫ではみられにくい。口すぼめ呼吸 = COPDと覚える。
  • 肺水腫の3つの重要所見は「起坐呼吸」「水泡音(湿性ラ音)」「ピンク色の泡沫状痰」である。
  • 肺水腫は心原性(左心不全)と非心原性(ARDS等)に分類され、いずれも肺胞内の液体貯留が主病態である。
  • 重要用語: 口すぼめ呼吸, 起坐呼吸, 水泡音, 泡沫状痰 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 肺水腫 COPD
起坐呼吸 みられる 重症例でみられる
口すぼめ呼吸 みられにくい 特徴的
水泡音(湿性ラ音) 典型的 通常みられない
泡沫状痰 重症例で特徴的 みられない
呼吸音減弱 通常なし 特徴的
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題55|肺水腫でみられにくい所見はどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題55|肺水腫でみられにくい所見はどれか。
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