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理由で解く 臨床医学各論

Q1311 リウマチ性疾患・膠原病

出典:あマ指 第31回(2023) 問題56
問題
全身性エリテマトーデスについて正しいのはどれか。
選択肢
1 男性に多い。
2 白血球が増加する。
3 抗核抗体が高率に陽性となる。
4 血清 c.グロブリン値は低下する。
解答
正解3(抗核抗体が高率に陽性となる)
解説
✗ 1. 誤り
男性に多い。
SLEは男性ではなく女性に圧倒的に多い疾患である。男女比は約1:9~10で、特に20~40代の妊娠可能年齢の女性に好発する。エストロゲンが免疫系に影響を与え発症に関与するとされる。
✗ 2. 誤り
白血球が増加する。
SLEでは白血球は増加ではなく減少する。抗白血球抗体や抗リンパ球抗体による自己免疫性の血球破壊が原因であり、白血球減少(4,000/μL以下)やリンパ球減少はSLEの分類基準の一つである。
✓ 3. 正しい
抗核抗体が高率に陽性となる。
SLEでは抗核抗体が約95%以上の高率で陽性となり、スクリーニング検査として極めて重要である。抗核抗体は核内成分に対する自己抗体の総称で、さらに抗dsDNA抗体や抗Sm抗体はSLEに対する特異度が高く、確定診断の根拠となる。自己抗体の過剰産生はSLEの病態の中心である。
✗ 4. 誤り
血清 c.グロブリン値は低下する。
SLEでは血清γグロブリン値は低下ではなく上昇する(高γグロブリン血症)。多種多様な自己抗体が持続的に産生されるため、免疫グロブリンが増加する。一方、補体価は免疫複合体により消費されるため低下する。
ポイント
  • SLEの検査所見:抗核抗体陽性(95%以上)、高γグロブリン血症、白血球減少、補体低下をセットで覚える
  • 「γグロブリン上昇」と「補体低下」を混同しないこと。γグロブリンは自己抗体の増加で上昇、補体は免疫複合体による消費で低下する
  • SLEは多臓器障害をきたす全身性疾患であり、腎障害(ループス腎炎)は予後を左右する最も重要な臓器病変である
  • 重要用語: SLE, 抗核抗体, 高γグロブリン血症, 白血球減少, 補体低下 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査所見 SLEでの変動 機序
抗核抗体 陽性(95%以上) 核内成分に対する自己抗体
γグロブリン 上昇 多種の自己抗体の過剰産生
白血球 減少 抗白血球抗体による破壊
補体価(CH50) 低下 免疫複合体による補体消費
赤沈 亢進 炎症による
CRP 軽度上昇にとどまる SLEではCRP高値になりにくい
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題56|全身性エリテマトーデスについて正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題56|全身性エリテマトーデスについて正しいのはどれか。
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