学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0885

理由で解く 臨床医学各論

Q0885 循環器疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題75
問題
「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患の所見で適切なのはどれか。
選択肢
1 尿量増加
2 頸静脈怒張
3 左房径縮小
4 肺動脈圧低下
解答
正解2(頸静脈怒張)
解説
✗ 1. 誤り
尿量増加
心不全では心拍出量低下により腎血流が減少し、尿量は減少する(増加ではない)。 乏尿は心不全の重要な所見の一つであり、腎前性腎不全に進展することもある。 心拍出量低下に伴いレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が亢進し、Na・水の再吸収が促進される。
✓ 2. 正しい
頸静脈怒張
拡張型心筋症による心不全では、静脈還流のうっ滞により頸静脈怒張がみられる。 左室拡大により左心不全が生じ、肺うっ血を経て右心不全に至ると体静脈のうっ滞が出現する。 頸静脈怒張は右心不全(うっ血性心不全)を示す重要な身体所見であり、下腿浮腫や肝腫大とともに認められる。
✗ 3. 誤り
左房径縮小
拡張型心筋症では左室拡大に伴い僧帽弁逆流が生じ、左房径も拡大する(縮小ではない)。 左室内腔の拡大により僧帽弁輪が拡大し、機能的僧帽弁閉鎖不全症を呈する。 心エコー検査で左室・左房ともに拡大していることが確認される。
✗ 4. 誤り
肺動脈圧低下
胸部X線で肺うっ血を認めているため、肺動脈圧は上昇している(低下ではない)。 左心不全による肺静脈うっ血が肺動脈圧の上昇をもたらし、進行すると肺高血圧症に至る。 肺うっ血が高度になると肺水腫(ピンク色泡沫状痰)を呈する。
ポイント
  • 拡張型心筋症では左室内腔が拡大し心収縮力が低下するため、うっ血性心不全の所見がみられる
  • 頸静脈怒張は右心不全(体静脈うっ滞)の重要な徴候であり、下腿浮腫・肝腫大とともに出現する
  • 心不全では尿量減少、左房径拡大、肺動脈圧上昇となり、「増加」「縮小」「低下」はいずれも逆の変化である
  • 左心不全の症状: 肺うっ血、呼吸困難、起坐呼吸。右心不全の症状: 頸静脈怒張、下腿浮腫、肝腫大
  • 重要用語: 拡張型心筋症, 頸静脈怒張, うっ血性心不全, 左室拡大 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 本疾患での変化 誤った選択肢の記載
尿量 減少(乏尿) 増加
頸静脈 怒張(うっ滞) ―(正答)
左房径 拡大 縮小
肺動脈圧 上昇 低下
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題75|「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患の所見で適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題75|「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患の所見で適切なのはどれか。
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