学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ I. その他の整形外科疾患 / Q0884

理由で解く 臨床医学各論

Q0884 整形外科疾患

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題66
問題
手根管症候群で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 関節リウマチが原因となる。
2 ティネル徴候が陽性となる。
3 ファーレンテストは陽性となる。
4 神経伝導速度は正常である。
解答
正解4(神経伝導速度は正常である)
解説
✗ 1.
関節リウマチが原因となる。
✗ 正しい。関節リウマチによる手関節の滑膜炎は手根管内の滑膜肥厚をきたし、手根管内圧を上昇させて正中神経を圧迫する。そのため関節リウマチは手根管症候群の原因疾患の一つとなる。他に妊娠、糖尿病、甲状腺機能低下症、透析アミロイドーシスなども原因となる。この記述は正しいため、誤りの選択肢ではない。
✗ 2.
ティネル徴候が陽性となる。
✗ 正しい。ティネル徴候(Tinel sign)は手根管部を叩打すると正中神経の支配領域(母指から環指橈側)に放散痛やしびれが誘発される徴候で、手根管症候群で陽性となる。正中神経の圧迫や刺激を示唆する重要な診察所見である。この記述は正しいため、誤りの選択肢ではない。
✗ 3.
ファーレンテストは陽性となる。
✗ 正しい。ファーレンテスト(Phalen test)は手関節を掌屈位で保持すると手根管内圧が上昇し、1分以内に正中神経領域のしびれや疼痛が誘発される検査である。手根管症候群の診断に有用な誘発試験で、陽性となることが特徴的である。この記述は正しいため、誤りの選択肢ではない。
✓ 4. 誤り
神経伝導速度は正常である。
手根管症候群では正中神経が手根管内で圧迫されるため、神経伝導速度は低下する(遅延する)。特に手根管部での運動神経伝導速度の遅延と感覚神経活動電位の振幅低下が特徴的である。「神経伝導速度は正常」という記述は誤りである。
ポイント
  • 手根管症候群は正中神経が手根管内で圧迫される絞扼性神経障害であり、神経伝導速度の低下が診断の重要な客観的指標となる
  • 関節リウマチによる滑膜炎は手根管症候群の主要な原因疾患の一つであり、両者の関連を理解する
  • ティネル徴候とファーレンテストは手根管症候群の診断に必須の理学的検査である
  • 重要用語: 手根管症候群, 正中神経, 神経伝導速度低下, ティネル徴候, ファーレンテスト を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 内容
圧迫される神経 正中神経
障害部位 手根管(手関節掌側)
症状 母指〜環指橈側のしびれ・疼痛、母指球萎縮
ティネル徴候 手根管部叩打で放散痛
ファーレンテスト 手関節掌屈で症状誘発
神経伝導速度 低下(遅延)
原因疾患 関節リウマチ、妊娠、糖尿病、甲状腺機能低下症、透析アミロイドーシス
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題66|手根管症候群で誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題66|手根管症候群で誤っている記述はどれか。
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