学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1117

理由で解く 臨床医学各論

Q1117 神経疾患

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題65
問題
ウィルソン病でみられないのはどれか。
選択肢
1 片麻痺
2 カイザーフライシャー角膜輪
3 構音障害
4 肝硬変
解答
正解1(片麻痺)
解説
✓ 1. 誤り
片麻痺
片麻痺は一側の上下肢の運動麻痺であり、脳梗塞や脳出血など錐体路障害で生じる症状である。ウィルソン病は大脳基底核(レンズ核)への銅沈着による錐体外路障害が主体であるため、片麻痺はみられない。ウィルソン病の神経症状は両側性かつ対称性に出現し、振戦・構音障害・ジストニア・アテトーゼなどの錐体外路徴候として発現する。
✗ 2.
カイザーフライシャー角膜輪
✗ 正しい。カイザーフライシャー角膜輪は角膜縁のデスメ膜への銅沈着により緑色の色素沈着が環状に認められるもので、ウィルソン病のもっとも特徴的な診断所見である。細隙灯顕微鏡検査で確認できる。
✗ 3.
構音障害
✗ 正しい。大脳基底核への銅沈着により錐体外路症状として構音障害が出現する。初発症状として神経症状が約70%にみられ、構音障害は比較的早期からの症状である。
✗ 4.
肝硬変
✗ 正しい。銅の蓄積がもっとも高度なのは肝臓であり、肝細胞の壊死と線維化により慢性肝炎から肝硬変へ進行する。肝障害はウィルソン病の主要な臓器障害の一つである。
ポイント
  • ウィルソン病は錐体外路障害であり、片麻痺(錐体路障害)はみられない
  • 主要三徴:肝障害(肝硬変)、錐体外路症状(構音障害・振戦)、カイザーフライシャー角膜輪
  • 治療:D-ペニシラミンや塩酸トリエンチン(銅の体外排泄促進)、銅含有食品の制限
  • 重要用語: ウィルソン病, 片麻痺, カイザーフライシャー角膜輪, D-ペニシラミン を正確に理解しておくこと。
比較表
症状 ウィルソン病での有無 説明
片麻痺 なし 錐体路障害の症状であり、ウィルソン病では生じない
カイザーフライシャー角膜輪 あり 角膜デスメ膜への銅沈着、診断上最も特徴的
構音障害 あり 大脳基底核への銅沈着による錐体外路症状
肝硬変 あり 肝臓への銅蓄積、慢性肝炎から進行
振戦・ジストニア あり 大脳基底核の錐体外路症状
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題65|ウィルソン病でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題65|ウィルソン病でみられないのはどれか。
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