学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0516

理由で解く 臨床医学各論

Q0516 内分泌疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題77
問題
「45歳の男性。、高血圧、頻拍発作の精査で受診。血中ナトリウム、カリウム値は正常範囲内であったが、腹部CTにて右副腎部に腫瘍病変を認めた。」本患者によくみられる所見はどれか。
選択肢
1 頭痛
2 発汗量減少
3 低血糖
4 貧血
解答
正解1(頭痛)
解説
✓ 1. 正しい
頭痛
高血圧・頻拍発作・副腎腫瘍から褐色細胞腫が最も考えられる。 褐色細胞腫ではカテコールアミン過剰による著明な血圧上昇に伴い、激しい頭痛が高頻度でみられる。 頭痛・動悸・発汗は褐色細胞腫の3大主訴(3H: Headache, Heart palpitation, Hyperhidrosis)として知られる。
✗ 2. 誤り
発汗量減少
褐色細胞腫ではカテコールアミンの交感神経刺激作用により発汗量は著明に増加する。 アドレナリンがエクリン汗腺を刺激し、発作時には大量の発汗(Hyperhidrosis)を伴う。 発汗量減少ではなく発汗過多が正しい所見である。
✗ 3. 誤り
低血糖
カテコールアミンは肝臓でのグリコーゲン分解と糖新生を促進するため、高血糖をきたす。 特にアドレナリンはβ2受容体を介して肝グリコーゲン分解を促進し、α2受容体を介してインスリン分泌を抑制する。 低血糖ではなく高血糖が正しい所見である。
✗ 4. 誤り
貧血
褐色細胞腫ではカテコールアミンの血管収縮作用により循環血液量が減少し、むしろ赤血球増多(多血症傾向)がみられることがある。 また脱水傾向による血液濃縮も加わり、ヘマトクリット値は上昇しやすい。 貧血は褐色細胞腫の特徴的所見ではない。
ポイント
  • 高血圧+頻拍発作+副腎腫瘍は褐色細胞腫を強く示唆する。Na・K正常である点は原発性アルドステロン症(低K血症)との鑑別に有用である
  • 褐色細胞腫の3大主訴(頭痛・動悸・発汗過多)は3Hとして頻出。発作性高血圧を伴う点が特徴的である
  • カテコールアミン過剰では高血圧・高血糖・代謝亢進(体重減少)がみられ、すべて交感神経刺激で説明できる
  • 重要用語: 褐色細胞腫, 頭痛, 発汗過多, カテコールアミン, 発作性高血圧 を正確に理解しておくこと
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題77|「45歳の男性。、高血圧、頻拍発作の精査で受診。血中ナトリウム、カリウム値は正常範囲内であったが、腹部CTにて右副腎部に腫瘍病変を認めた。」本患者によくみられる所見はどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題77|「45歳の男性。、高血圧、頻拍発作の精査で受診。血中ナトリウム、カリウム値は正常範囲内であったが、腹部CTにて右副腎部に腫瘍病変を認めた。」本患者によくみられる所見はどれか。
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