学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0515

理由で解く 臨床医学各論

Q0515 内分泌疾患

出典:あマ指 第23回(2015) 問題75
問題
「49 歳の女性。易疲労感、食欲不振を主訴に来院した。皮膚は乾燥し、低血圧、歯肉の色素沈着が認められる。月経異常や体重減少も伴っていた。」疾患の治療に用いられるのはどれか。
選択肢
1 ビタミンD 製剤
2 甲状腺ホルモン
3 副腎皮質ホルモン
4 非ステロイド系抗炎症薬
解答
正解3(副腎皮質ホルモン)
解説
✗ 1. 誤り
ビタミンD 製剤
ビタミンD製剤は骨粗鬆症・くる病・骨軟化症の治療や、副甲状腺機能低下症による低Ca血症の補正に用いられる。 活性型ビタミンD3製剤は腸管からのCa吸収を促進するが、副腎皮質ホルモンの補充とは全く異なる作用機序である。 アジソン病のホルモン補充療法には用いない。
✗ 2. 誤り
甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモン(レボチロキシン)は甲状腺機能低下症(橋本病・粘液水腫など)に対する補充療法に用いられる。 甲状腺機能低下症とアジソン病は自己免疫性多腺性症候群(APS)として合併することがあるが、本問ではアジソン病に対する治療が問われている。 アジソン病に対する治療薬ではない。
✓ 3. 正しい
副腎皮質ホルモン
アジソン病は副腎皮質ホルモン(コルチゾール・アルドステロン)の分泌低下が原因であるため、治療の根本は副腎皮質ホルモンの補充療法である。 糖質コルチコイド(ヒドロコルチゾン)を基本とし、必要に応じて鉱質コルチコイド(フルドロコルチゾン)を追加する。 感染やストレス時にはシックデイルールとして通常量の2〜3倍に増量が必要であり、副腎クリーゼの予防が重要となる。
✗ 4. 誤り
非ステロイド系抗炎症薬
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は消炎鎮痛薬であり、関節炎や疼痛に用いる薬剤である。 NSAIDsはCOX阻害によりプロスタグランジン合成を抑制するが、ホルモン補充作用はない。 アジソン病のホルモン補充療法には全く関係がない。
ポイント
  • アジソン病の治療は不足している副腎皮質ホルモンの補充が原則。ヒドロコルチゾン(コートリル)を第一選択とし、生理的分泌パターンに合わせて朝多く・夕少なく投与する
  • ストレス時(手術・感染・外傷など)の増量(シックデイルール)を怠ると副腎クリーゼ(急性副腎不全)をきたす危険がある
  • 副腎クリーゼはショック・意識障害をきたす緊急疾患であり、ヒドロコルチゾンの静注と輸液で対応する
  • 重要用語: アジソン病, 副腎皮質ホルモン補充療法, ヒドロコルチゾン, シックデイルール を正確に理解しておくこと
比較表
アジソン病の治療 薬剤 目的
糖質コルチコイド補充 ヒドロコルチゾン(コートリル) コルチゾール不足の補正
鉱質コルチコイド補充 フルドロコルチゾン アルドステロン不足の補正
シックデイ対応 ヒドロコルチゾン増量 副腎クリーゼの予防
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題75|「49 歳の女性。易疲労感、食欲不振を主訴に来院した。皮膚は乾燥し、低血圧、歯肉の色素沈着が認められる。月経異常や体重減少も伴っていた。」疾患の治療に用いられるのはどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題75|「49 歳の女性。易疲労感、食欲不振を主訴に来院した。皮膚は乾燥し、低血圧、歯肉の色素沈着が認められる。月経異常や体重減少も伴っていた。」疾患の治療に用いられるのはどれか。
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