学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0514

理由で解く 臨床医学各論

Q0514 内分泌疾患

出典:あマ指 第23回(2015) 問題74
問題
「49 歳の女性。易疲労感、食欲不振を主訴に来院した。皮膚は乾燥し、低血圧、歯肉の色素沈着が認められる。月経異常や体重減少も伴っていた。」最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 橋本病
2 アジソン病
3 ランバート・イートン症候群
4 ギラン・バレー症候群
解答
正解2(アジソン病)
解説
✗ 1. 誤り
橋本病
橋本病(慢性甲状腺炎)は甲状腺機能低下症をきたし、非圧痕性浮腫(粘液水腫)・体重増加・寒がり・便秘が特徴的である。 甲状腺機能低下症では代謝が低下し、皮膚はむしろ蒼白・浮腫状となる。 色素沈着は橋本病の特徴的所見ではなく、体重は増加傾向となるため本症例とは矛盾する。
✓ 2. 正しい
アジソン病
本症例の易疲労感・食欲不振・皮膚乾燥・低血圧・歯肉の色素沈着・月経異常・体重減少はすべてアジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)の典型的症状である。 コルチゾール低下により低血糖・易疲労感、アルドステロン低下により低血圧・低Na・高K、ACTH上昇によりMSH作用で色素沈着(歯肉を含む粘膜)、副腎アンドロゲン低下により月経異常が生じる。 各症状がそれぞれ異なるホルモンの変動で系統的に説明できる点がアジソン病の特徴である。
✗ 3. 誤り
ランバート・イートン症候群
ランバート・イートン症候群は神経筋接合部の自己免疫疾患で、シナプス前膜のCa2+チャネルに対する自己抗体が原因である。 近位筋の筋力低下・深部腱反射低下が主症状であり、肺小細胞癌に合併する腫瘍随伴症候群として知られる。 色素沈着や低血圧は特徴的ではない。
✗ 4. 誤り
ギラン・バレー症候群
ギラン・バレー症候群は急性の対称性上行性弛緩性麻痺を主症状とする末梢神経疾患である。 先行感染後に発症し、髄液の蛋白細胞解離が特徴的な所見である。 色素沈着・低血圧・月経異常は特徴的所見ではない。
ポイント
  • 「低血圧+粘膜の色素沈着+易疲労感+体重減少」の組合せはアジソン病を強く示唆する。特に歯肉や口腔粘膜の色素沈着はACTH上昇(POMC由来のMSH作用)を反映する特徴的所見である
  • アジソン病の電解質異常は低Na・高Kであり、アルドステロン低下による遠位尿細管でのNa再吸収障害・K排泄障害を反映する
  • 原因としては自己免疫性(先進国で最多)と結核性(発展途上国で多い)が重要である
  • 重要用語: アジソン病, 色素沈着, 低血圧, ACTH上昇, 低Na高K を正確に理解しておくこと
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題74|「49 歳の女性。易疲労感、食欲不振を主訴に来院した。皮膚は乾燥し、低血圧、歯肉の色素沈着が認められる。月経異常や体重減少も伴っていた。」最も考えられる疾患はどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題74|「49 歳の女性。易疲労感、食欲不振を主訴に来院した。皮膚は乾燥し、低血圧、歯肉の色素沈着が認められる。月経異常や体重減少も伴っていた。」最も考えられる疾患はどれか。
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