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理由で解く 臨床医学各論

Q0810 整形外科疾患

出典:あマ指 第26回(2018) 問題59
問題
肩関節脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 後方脱臼の頻度が高い。
2 関節強直を起こすことが多い。
3 合併症として腋窩神経損傷がある。
4 再脱臼を起こすことはまれである。
解答
正解3(合併症として腋窩神経損傷がある。)
解説
✗ 1. 誤り
後方脱臼の頻度が高い。
肩関節脱臼の約95%は前方脱臼であり、後方脱臼の頻度は低い。前方脱臼では上腕骨頭が前下方に転位し、肩峰が突出して角ばった肩の外観(epaulet sign)を呈する。後方脱臼はてんかん発作や感電時にまれにみられる。
✗ 2. 誤り
関節強直を起こすことが多い。
肩関節脱臼では関節強直よりも反復性脱臼(習慣性脱臼)が臨床的に問題となる。特に若年者では初回脱臼後の再脱臼率が非常に高い。関節強直は長期固定後に二次的に生じることはあるが、脱臼の特徴的な合併症ではない。
✓ 3. 正しい
合併症として腋窩神経損傷がある。
肩関節脱臼の重要な合併症として腋窩神経損傷がある。腋窩神経は関節包の下方を走行するため、前方脱臼時に伸展・圧迫されて損傷されやすい。腋窩神経が損傷されると三角筋の麻痺(肩関節外転障害)と肩外側(三角筋部)の知覚障害が生じる。整復後は必ず腋窩神経の機能を確認する必要がある。
✗ 4. 誤り
再脱臼を起こすことはまれである。
肩関節脱臼は再脱臼を起こしやすく、特に20歳以下の若年者では再脱臼率が80〜90%に達するとされる。脱臼時にバンカート損傷(関節唇損傷)やヒルサックス損傷(上腕骨頭の陥凹骨折)が生じると反復性脱臼の原因となる。
ポイント
  • 肩関節脱臼は前方脱臼が大部分(約95%)を占め、後方脱臼はまれである
  • 腋窩神経損傷が重要な合併症:三角筋麻痺(外転障害)+肩外側の知覚障害
  • 再脱臼は「まれ」ではなく、特に若年者では高率に生じる(バンカート損傷・ヒルサックス損傷が原因)
  • 重要用語: 肩関節前方脱臼, 腋窩神経損傷, 反復性脱臼, バンカート損傷 を正確に理解しておくこと。
比較表
肩関節脱臼の特徴 内容
好発型 前方脱臼(約95%)
外観 epaulet sign(角ばった肩)
合併症(神経) 腋窩神経損傷→三角筋麻痺+肩外側知覚障害
合併症(骨軟部) バンカート損傷・ヒルサックス損傷
再脱臼率 若年者で80〜90%
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題59|肩関節脱臼で正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題59|肩関節脱臼で正しいのはどれか。
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