学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0771

理由で解く 臨床医学各論

Q0771 整形外科疾患

出典:あマ指 第26回(2018) 問題57
問題
脊柱管狭窄を生じないのはどれか。
選択肢
1 黄色靱帯の肥厚
2 椎間板の後方への膨隆
3 椎間関節の肥大
4 前縦靱帯の骨化
解答
正解4(前縦靱帯の骨化)
解説
✗ 1.
黄色靱帯の肥厚
✗ 正しい。黄色靱帯は椎弓板の間を連結する靭帯で、脊柱管の後壁を構成する。加齢や変性により肥厚・短縮すると、脊柱管を後方から圧迫して狭窄の原因となる。黄色靭帯骨化症も脊柱管狭窄の重要な原因疾患であり、特に胸椎レベルに好発する。
✗ 2.
椎間板の後方への膨隆
✗ 正しい。椎間板が変性し後方に膨隆すると、脊柱管を前方から圧迫して狭窄の原因となる。椎間板ヘルニアも椎間板の後方への突出であり、脊柱管狭窄の一因である。椎間板の高さの減少に伴う全周性の膨隆も狭窄を助長する。
✗ 3.
椎間関節の肥大
✗ 正しい。椎間関節は脊柱の後方要素であり、変性・肥大すると脊柱管を側方から圧迫して狭窄の原因となる。変形性脊椎症に伴う椎間関節の肥大性変化は腰部脊柱管狭窄症の原因として頻度が高い。
✓ 4. 誤り
前縦靱帯の骨化
前縦靱帯は椎体の前面に付着して脊柱の前方を縦走する靭帯であり、脊柱管とは反対側に位置する。したがって前縦靱帯が骨化しても脊柱管の内腔を圧迫することはなく、脊柱管狭窄の原因とはならない。脊柱管狭窄を引き起こす靭帯の骨化は、椎体後面に位置する後縦靭帯の骨化(OPLL)であり、両者を混同しないことが重要である。
ポイント
  • 脊柱管狭窄の原因は脊柱管の内腔を構成する構造の変化(黄色靱帯肥厚・椎間板膨隆・椎間関節肥大・後縦靭帯骨化)である
  • 前縦靱帯は脊柱管の「外」に位置するため、骨化しても脊柱管狭窄を生じない
  • 「生じないもの」を問う出題形式では、各構造物と脊柱管の位置関係を正確に把握しておくことが解答の鍵となる
  • 重要用語: 前縦靱帯, 後縦靭帯骨化症(OPLL), 黄色靱帯肥厚, 脊柱管狭窄 を正確に理解しておくこと。
比較表
構造物 脊柱管との位置関係 狭窄の原因となるか
黄色靱帯 脊柱管後壁を構成 なる(後方から圧迫)
椎間板 脊柱管前壁に面する なる(前方から圧迫)
椎間関節 脊柱管側壁に面する なる(側方から圧迫)
後縦靭帯 脊柱管前壁を構成 なる(前方から圧迫)
前縦靱帯 脊柱管の外(椎体前面) ならない
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題57|脊柱管狭窄を生じないのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題57|脊柱管狭窄を生じないのはどれか。
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