学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0770

理由で解く 臨床医学各論

Q0770 整形外科疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題57
問題
脊柱管狭窄症を生じるのはどれか。
選択肢
1 黄色靭帯肥厚
2 前縦靭帯骨化
3 横突起肥大
4 棘上靭帯骨下
解答
正解1(黄色靭帯肥厚)
解説
✓ 1. 正しい
黄色靭帯肥厚
黄色靭帯は隣り合う椎骨の椎弓板を連結する靭帯であり、脊柱管の後壁と外側壁の形成に関与する。多量の弾性線維を含み黄色を呈することからこの名がある。加齢や変性により黄色靭帯が肥厚・短縮すると、脊柱管の後方から脊髄や馬尾神経を圧迫し、脊柱管狭窄症を生じる。腰部脊柱管狭窄症の成因として椎間板の膨隆とともに最も重要な因子の一つである。
✗ 2. 誤り
前縦靭帯骨化
前縦靭帯は椎体の前面に沿って脊柱の前方を縦走する靭帯であり、脊柱管の外側に位置する。前縦靭帯が骨化しても脊柱管の内腔を狭小化することはない。脊柱管狭窄を生じる靭帯の骨化は後縦靭帯骨化症(OPLL)であり、前縦靭帯と後縦靭帯を混同しないことが重要である。
✗ 3. 誤り
横突起肥大
横突起は椎骨から側方に突出する構造物であり、脊柱管の外側に位置する。横突起が肥大しても脊柱管の内腔には影響を及ぼさない。横突起は筋の付着部としての機能を持つが、脊柱管の構成要素ではないため狭窄の原因とはならない。
✗ 4. 誤り
棘上靭帯骨下
棘上靭帯は棘突起の後端をつなぐ靭帯であり、脊柱管のさらに後方に位置する。棘上靭帯に病的変化が生じても脊柱管の内腔には影響せず、脊柱管狭窄の原因とはならない。
ポイント
  • 脊柱管狭窄症の原因として、黄色靭帯の肥厚、椎間板の後方膨隆、後縦靭帯骨化、椎間関節の肥大、脊椎すべり症が重要である
  • 前縦靭帯の骨化と後縦靭帯の骨化を混同しないこと。脊柱管狭窄を生じるのは後縦靭帯骨化症(OPLL)である
  • 脊柱管狭窄の原因となるのは脊柱管の内腔に面する構造の変化であり、外側に位置する構造の変化は影響しない
  • 重要用語: 黄色靭帯肥厚, 脊柱管狭窄症, 後縦靭帯骨化症, 前縦靭帯 を正確に理解しておくこと。
比較表
脊柱管狭窄の原因 圧迫方向 備考
黄色靭帯の肥厚 後方から 加齢変性による
椎間板の後方膨隆 前方から 変性に伴う
後縦靭帯の骨化(OPLL) 前方から 日本人に多い
椎間関節の肥大 側方から 変形性脊椎症に伴う
脊椎すべり症 前後方向 脊柱管の形態変化
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題57|脊柱管狭窄症を生じるのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題57|脊柱管狭窄症を生じるのはどれか。
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