学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0731

理由で解く 臨床医学各論

Q0731 整形外科疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題62
問題
小児で体前屈時に肋骨隆起を認めた場合、疑う疾患はどれか。
選択肢
1 側弯症
2 肺腫瘍
3 鳩胸
4 肋骨骨折
解答
正解1(側弯症)
解説
✓ 1. 正しい
側弯症
小児で体前屈時に肋骨隆起(rib hump)を認めた場合は側弯症(脊柱側彎症)を強く疑う。アダムス前屈テスト(Adams forward bending test)は側弯症のスクリーニング検査であり、前屈時に脊柱の回旋変形に伴い片側の肋骨が後方に突出して左右非対称な隆起を形成する。 学校健診で広く実施されており、肋骨隆起の高さが5〜7mm以上で精密検査(X線撮影によるコブ角測定)が必要となる。特に思春期女子に好発するため、成長期の定期的な検診が重要である。
✗ 2. 誤り
肺腫瘍
肺腫瘍では体前屈時の肋骨隆起は認めない。肺腫瘍は胸部X線やCT検査で発見される疾患であり、外見上の胸郭変形を生じることは稀である。 小児の肺腫瘍は成人と比較して稀であり、体前屈時の肋骨隆起という所見とは結びつかない。
✗ 3. 誤り
鳩胸
鳩胸(pectus carinatum)は胸骨が前方に突出する先天性の胸郭変形であり、側弯症の肋骨隆起とは異なる病態である。鳩胸では胸骨の突出は常時存在し、体前屈で出現する左右非対称な隆起ではない。 反対の変形である漏斗胸(pectus excavatum)は胸骨が陥凹する変形であり、いずれも側弯症とは異なる。
✗ 4. 誤り
肋骨骨折
肋骨骨折では局所の疼痛・圧痛・腫脹がみられるが、体前屈時に特定のパターンで出現する肋骨隆起は認めない。肋骨骨折は外傷歴があり、深呼吸や咳嗽で疼痛が増強するのが特徴である。 側弯症による肋骨隆起は脊柱の回旋変形による構造的な変化であり、外傷性の変化とは本質的に異なる。
ポイント
  • 小児の体前屈時の肋骨隆起はアダムス前屈テスト陽性であり、側弯症を強く疑う所見である
  • アダムス前屈テストは学校健診で実施される側弯症のスクリーニング検査として極めて重要である
  • 鳩胸は胸骨前方突出であり、側弯症の肋骨隆起(左右非対称の後方突出)とは別の病態である
  • 重要用語: アダムス前屈テストと肋骨隆起(rib hump) を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題62|小児で体前屈時に肋骨隆起を認めた場合、疑う疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題62|小児で体前屈時に肋骨隆起を認めた場合、疑う疾患はどれか。
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