学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0732

理由で解く 臨床医学各論

Q0732 整形外科疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題63
問題
発育性股関節形成不全について誤っているのはどれか。
選択肢
1 男児に多い。
2 分娩時の胎位異常で発生率が高い。
3 家族内発生がみられる。
4 治療は装具療法が主体となる。
解答
正解1(男児に多い)
解説
✓ 1. 誤り
男児に多い。
発育性股関節形成不全(DDH: Developmental Dysplasia of the Hip)は女児に圧倒的に多い疾患であり、男女比は約1:5〜9である。「男児に多い」という記述は明らかに誤りである。 女児に多い理由として、妊娠末期に母体から分泌されるリラキシン(関節弛緩ホルモン)の影響による関節包・靭帯の弛緩性増加、女児の臼蓋が男児より浅い骨盤形態の性差が関与する。リスク因子は第一子、骨盤位分娩、家族歴、左側優位である。
✗ 2.
分娩時の胎位異常で発生率が高い。
✗ 正しい。分娩時の胎位異常、特に骨盤位(逆子)は発育性股関節形成不全の発生率を高める重要なリスク因子であり、この記述は正しい。骨盤位では胎児の股関節が伸展位に強制されるため、大腿骨頭が臼蓋から脱臼しやすい。 骨盤位分娩の既往がある新生児は、出生後に股関節の入念なスクリーニングが必要である。
✗ 3.
家族内発生がみられる。
✗ 正しい。発育性股関節形成不全には明確な家族内発生がみられ、遺伝的素因の関与が確認されている。この記述は正しい。 母親や姉妹に股関節脱臼の既往がある場合、発症リスクが約10〜20倍に増加するとされる。家族歴は臨床上の重要なリスク因子として問診時に確認すべき項目である。
✗ 4.
治療は装具療法が主体となる。
✗ 正しい。発育性股関節形成不全の治療は、生後6か月以内の乳児ではリーメンビューゲル装具(Pavlik harness)を第一選択とする装具療法が主体であり、この記述は正しい。 治療成功率は約90%と高く、早期発見・早期治療が極めて重要である。装具で整復不能な場合は徒手整復+ギプス固定、さらに無効例では観血的整復術を行う。
ポイント
  • 発育性股関節形成不全は女児に圧倒的に多い(男女比1:5〜9)疾患であり、「男児に多い」は明らかな誤りである
  • リスク因子は「女児・第一子・骨盤位分娩・家族歴・左側」と整理して覚える
  • 治療はリーメンビューゲル装具による装具療法が第一選択で、成功率約90%である
  • 重要用語: 発育性股関節形成不全のリスク因子と女児優位 を正確に理解しておくこと。
比較表
リスク因子 内容・詳細
性別 女児に多い(男女比 1:5〜9)
分娩時胎位 骨盤位(逆子)でリスク増加
出生順位 第一子に多い
家族歴 母親・姉妹に既往があるとリスク10〜20倍
好発側 左側に多い(約60%)
治療 リーメンビューゲル装具(生後6か月以内)
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題63|発育性股関節形成不全について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題63|発育性股関節形成不全について誤っているのはどれか。
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