学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0711

理由で解く 臨床医学各論

Q0711 整形外科疾患

出典:あマ指 第5回(1997) 問題86
問題
先天性股関節脱臼の乳児期の症状で誤っているのはどれか。
選択肢
1 トレンデレンブルグ徴候陽性
2 大腿皮膚溝の非対称
3 バーローテスト陽性
4 クリックサイン陽性
解答
正解1(トレンデレンブルグ徴候陽性)
解説
✓ 1. 誤り
トレンデレンブルグ徴候陽性
トレンデレンブルグ徴候は片脚立位時に健側の骨盤が下降し体幹が患側に傾く現象であり、中殿筋機能不全を反映する。歩行開始後(通常1歳以降)に初めて陽性となる所見であるため、まだ歩行していない乳児期(生後1〜12か月)には評価不可能であり、乳児期の症状としては誤りである。
✗ 2.
大腿皮膚溝の非対称
✗ 正しい。脱臼側の大腿骨頭が上方に転位し下肢が短縮・外旋位をとるため、患側の大腿内側皮膚溝が健側より深く数も多くなり左右非対称を呈する。乳児期に視覚的に判別しやすく、母親や健診時に気づかれやすい典型的所見であり、この記述は正しい。
✗ 3.
バーローテスト陽性
✗ 正しい。バーローテスト(Barlow test)は股関節を内転・屈曲位として後方へ圧迫し脱臼を誘発する検査である。不安定性がある股関節では大腿骨頭が臼蓋から脱臼する感触が得られ、新生児期から乳児期早期のスクリーニングとして有用である。この記述は正しい。
✗ 4.
クリックサイン陽性
✗ 正しい。クリックサイン(オルトラニ徴候)は股関節を開排する際に、脱臼していた大腿骨頭が臼蓋に整復される時のコクッというクリック音と弾発感を触知する所見である。新生児期から乳児期に陽性となる重要な診断所見であり、この記述は正しい。
ポイント
  • トレンデレンブルグ徴候は歩行開始後の所見であり、乳児期の症状として出題された場合は誤りと判断する
  • 乳児期の3大所見は開排制限・大腿皮膚溝の非対称・クリックサイン(オルトラニ徴候)である
  • バーローテストは脱臼誘発検査、オルトラニテストは整復確認検査であり、両者を区別して理解する
  • 重要用語: トレンデレンブルグ徴候, バーローテスト, オルトラニ徴候, 乳児期所見 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査・所見 内容 適応時期
開排制限 股関節外転の制限 新生児期〜
クリックサイン(オルトラニ) 整復時のクリック音・弾発感 新生児期〜乳児期
バーローテスト 脱臼誘発による不安定性確認 新生児期〜乳児期早期
皮膚溝非対称 患側のしわが深く多い 乳児期〜
トレンデレンブルグ徴候 患側立脚時の骨盤傾斜 歩行期以降(1歳〜)
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題86|先天性股関節脱臼の乳児期の症状で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題86|先天性股関節脱臼の乳児期の症状で誤っているのはどれか。
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