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理由で解く 臨床医学各論

Q0619 整形外科疾患

出典:あマ指 第6回(1998) 問題89
問題
五十肩(肩関節周囲炎)について正しい記述はどれか。
選択肢
1 肩甲上腕関節の運動制限がある。
2 結髪困難は内旋制限による。
3 結帯困難は外旋制限による。
4 腱板の萎縮はない。
解答
正解1(肩甲上腕関節の運動制限がある。)
解説
✓ 1. 正しい
肩甲上腕関節の運動制限がある。
五十肩(肩関節周囲炎)では肩甲上腕関節の関節包や周囲組織(腱板、滑液包、靭帯など)に炎症と拘縮が生じ、全方向性の運動制限が特徴である。 特に外転、外旋、内旋の制限が顕著で、結髪・結帯動作が困難となる。肩甲上腕関節の可動域制限は五十肩の診断に不可欠な所見である。
✗ 2. 誤り
結髪困難は内旋制限による。
結髪困難(髪を結う動作)は外旋制限と外転制限によるものであり、内旋制限ではない。 結髪動作は肩関節の外転+外旋の複合運動であるため、内旋制限では説明できない。内旋制限により困難となるのは結帯動作(帯を結ぶ動作)である。
✗ 3. 誤り
結帯困難は外旋制限による。
結帯困難(帯を結ぶ、エプロンの紐を結ぶ動作)は内旋制限によるものであり、外旋制限ではない。 結帯動作は肩関節の内旋+伸展の複合運動であるため、外旋制限では説明できない。選択肢2と3は結髪と結帯の制限方向が逆に記載されている。
✗ 4. 誤り
腱板の萎縮はない。
五十肩では腱板(回旋筋腱板:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の退行変性や萎縮を伴うことがある。 長期間の疼痛と運動制限により腱板筋群の廃用性萎縮も生じ、腱板断裂を合併している場合もある。
ポイント
  • 五十肩は40〜60歳代に好発し、肩甲上腕関節の全方向性運動制限を呈する症候群である
  • 結髪動作=外転+外旋、結帯動作=内旋+伸展であり、制限方向の対応を正確に覚えること
  • 疼痛期→拘縮期→回復期の3段階を経て、通常1〜1.5年で自然軽快することが多い
  • 重要用語: 肩甲上腕関節・結髪動作(外旋)・結帯動作(内旋)・回旋筋腱板 を正確に理解しておくこと。
比較表
動作 関与する肩関節運動 制限される原因
結髪動作(髪を結う) 外転 + 外旋 外旋制限
結帯動作(帯を結ぶ) 内旋 + 伸展 内旋制限
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題89|五十肩(肩関節周囲炎)について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題89|五十肩(肩関節周囲炎)について正しい記述はどれか。
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