学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0319

理由で解く 臨床医学各論

Q0319 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題56
問題
COPDについて正しいのはどれか。
選択肢
1 肺拡散能(DLCO)は正常である。
2 労作時の呼吸困難が特徴である。
3 発作時に気管支狭窄音を伴う。
4 肺機能検査では拘束性換気障害が特徴である。
解答
正解2(労作時の呼吸困難が特徴である。)
解説
✗ 1. 誤り
肺拡散能(DLCO)は正常である。
COPDでは肺気腫により肺胞壁が破壊されるため、肺拡散能(DLCO)は低下する。 ガス交換面積が減少することにより酸素の取り込みが障害され、正常ではない。 肺拡散能の低下はCOPDのうち特に肺気腫型で顕著であり、低酸素血症の原因となる。
✓ 2. 正しい
労作時の呼吸困難が特徴である。
COPDの最も特徴的な症状は労作時の呼吸困難である。 不可逆的な気流制限により、労作時に十分な換気ができなくなるため息切れが生じる。 進行は緩徐であるが、かぜ症候群や肺炎を契機に急性増悪をきたすことがある。 最終的には安静時にも呼吸困難が出現し、呼吸不全に至る。
✗ 3. 誤り
発作時に気管支狭窄音を伴う。
発作時に気管支狭窄音(喘鳴・wheezes)を伴うのは気管支喘息の特徴である。 COPDでも喘鳴がみられることはあるが、「発作時に」という表現は喘息の病態を指す。 COPDの聴診所見としては呼吸音の減弱が特徴的であり、喘息のような発作性の喘鳴とは異なる。
✗ 4. 誤り
肺機能検査では拘束性換気障害が特徴である。
COPDの肺機能検査では閉塞性換気障害(1秒率の低下)が特徴であり、拘束性換気障害ではない。 1秒率(FEV1/FVC)70%未満が診断基準であり、気管支拡張薬投与後も改善しないことが特徴である。 拘束性換気障害は肺線維症や胸郭変形でみられる所見である。
ポイント
  • COPDの特徴は労作時呼吸困難、閉塞性換気障害(1秒率低下)、肺拡散能(DLCO)低下の3点である。いずれも頻出の出題ポイント。
  • COPDと気管支喘息はともに閉塞性障害であるが、COPDは不可逆的・慢性的、喘息は可逆的・発作性という違いがある。
  • COPDの肺拡散能は低下するが、喘息では通常正常に保たれる。この違いは鑑別の重要ポイント。
  • 重要用語: 労作時呼吸困難, 閉塞性換気障害, 肺拡散能低下, 1秒率 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 COPD 気管支喘息
気流制限 不可逆的 可逆的
経過 慢性・緩徐に進行 発作性
呼吸困難 労作時(慢性的) 発作時(夜間・早朝)
肺拡散能 低下 正常
換気障害 閉塞性 閉塞性
主なリスク因子 喫煙 アレルゲン
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題56|COPDについて正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題56|COPDについて正しいのはどれか。
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