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理由で解く 臨床医学各論

Q0004 感染症

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題55
問題
肺結核について正しいのはどれか。
選択肢
1 主な感染経路は飛沫感染である。
2 抗結核薬は単剤で用いる。
3 結核と診断したら直ちに届け出る。
4 医療者はサージカルマスク着用が推奨される。
解答
正解3(結核と診断したら直ちに届け出る)
解説
✗ 1. 誤り
主な感染経路は飛沫感染である。
肺結核の主な感染経路は空気感染(飛沫核感染)であり、飛沫感染ではない。結核菌を含む飛沫核(直径5μm以下)が空気中を長時間浮遊して感染する。飛沫感染は直径5μm以上の飛沫による感染で、インフルエンザなどで見られる。空気感染は飛沫感染より感染力が強く、同じ空間にいるだけで感染しうる。
✗ 2. 誤り
抗結核薬は単剤で用いる。
抗結核薬は耐性菌出現を防ぐため多剤併用療法で用いる。イソニアジド(INH)・リファンピシン(RFP)・エタンブトール(EB)・ピラジナミド(PZA)の4剤併用が標準的である。単剤では使用しない。治療期間は通常6ヵ月で、初期2ヵ月は4剤併用、後期4ヵ月は2〜3剤併用とする。
✓ 3. 正しい
結核と診断したら直ちに届け出る。
結核と診断したら直ちに保健所に届け出る必要がある。結核は感染症法の二類感染症に分類され、診断後直ちに届出が義務付けられている。公衆衛生上重要な感染症であり、接触者調査や感染拡大防止のために迅速な届出が必要。届出により保健所が接触者健診(DOTS:直接服薬確認療法)などの対策を実施する。
✗ 4. 誤り
医療者はサージカルマスク着用が推奨される。
結核患者に対応する医療者はN95マスクの着用が推奨される。サージカルマスクでは飛沫核を十分に防げない。N95マスクは0.3μmの粒子を95%以上捕集でき、空気感染対策に有効である。患者自身はサージカルマスクを着用して飛沫核の飛散を防ぐ。
ポイント
  • 肺結核は空気感染(飛沫核感染)で、飛沫感染ではない。感染力が強く、閉鎖空間で拡大しやすい
  • 抗結核薬は耐性菌出現防止のため必ず多剤併用療法(INH・RFP・EB・PZAなど)で治療する
  • 結核は感染症法の二類感染症で、診断後直ちに届出が義務付けられている。届出により保健所が接触者健診などの対策を実施
  • 医療者はN95マスク着用が必須で、サージカルマスクでは不十分
  • 重要用語: 空気感染、二類感染症、多剤併用療法、N95マスク を正確に理解しておくこと。
比較表
感染経路 粒子径 主な疾患 医療者の対策
空気感染(飛沫核感染) 5μm以下 結核、麻疹、水痘 N95マスク、陰圧個室
飛沫感染 5μm以上 インフルエンザ、風疹 サージカルマスク、1m以上距離
接触感染 - MRSA、ノロウイルス 手袋、ガウン、手指衛生
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題55|肺結核について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題55|肺結核について正しいのはどれか。
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