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理由で解く 理学療法士

QP58P043 理学療法治療学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午後 問43
問題
変形性膝関節症に対して、理学療法診療ガイドライン第1版(日本理学療法士協会)で推奨グレードAと示されている理学療法はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 干渉波療法
2 筋力増強運動
3 振動刺激療法
4 足底挿板療法
5 バランス練習
解答
正解2(筋力増強運動)、5(バランス練習)
解説

変形性膝関節症の保存的理学療法では、運動療法(筋力増強運動・バランス練習)がADL改善のエビデンスが高く強く推奨される。

変形性膝関節症(膝OA)に対する理学療法診療ガイドラインでは、運動療法が中心的介入と位置づけられる。特に大腿四頭筋を中心とした筋力増強運動は疼痛軽減・機能改善の推奨度が高く、バランス(固有感覚)練習も運動機能や日常生活活動の改善が期待できるとされる。物理療法である干渉波療法や振動刺激療法は補助的で、単独でADLを改善する根拠は運動療法ほど強くない。足底挿板(外側楔状足底板)はアライメント矯正・疼痛緩和目的で用いられるが、内側型膝OAでの効果は限定的とされADL改善のエビデンスは高くない。したがって軽症・運動機能低下例でADL改善が示されているのは筋力増強運動とバランス練習である。

✗ 1. 誤り
干渉波療法
疼痛緩和目的の物理療法で補助的。ADL改善のエビデンスは運動療法に劣る
✓ 2. 正しい
筋力増強運動
大腿四頭筋強化は疼痛・機能改善の推奨度が高く、ADL改善が示される
✗ 3. 誤り
振動刺激療法
エビデンスが限定的でADL改善の根拠は弱い
✗ 4. 誤り
足底挿板療法
アライメント補正目的だが軽症でのADL改善効果は限定的
✓ 5. 正しい
バランス練習
固有感覚・姿勢制御を高め、運動機能とADLの改善が期待できる
本問は、厚生労働省が「設問が不明確で正解が得られないため」として採点対象から除外した問題です(第58回理学療法士国家試験 午後第43問。正答値表でも空欄です)。理学療法診療ガイドラインには「運動機能低下がある軽症」という重症度の区分がなく、また介入ごとに「日常生活活動が改善する」と結論づけた一覧もないため、原問の文言のままでは足底挿板療法なども否定できず、2つに絞ることができませんでした。そこで演習として成立させるため、当方で設問文を「運動機能低下がある軽症の変形性膝関節症で、理学療法診療ガイドライン(日本理学療法士協会)で日常生活活動が改善する可能性があると示されている理学療法はどれか。2つ選べ。」→「変形性膝関節症に対して、理学療法診療ガイドライン第1版(日本理学療法士協会)で推奨グレードAと示されている理学療法はどれか。2つ選べ。」と改変しました(選択肢は5つとも原問のままです)。ガイドライン第1版が実際に示している推奨グレード(筋力増強運動A/協調性運動=バランス練習A/干渉波治療B/振動刺激療法B/足底挿板療法B)を問う形にしたことで、正答が選択肢2と5の2つに定まります。
ポイント
  • 膝OAは運動療法(筋力増強・バランス)が中心で推奨度が高い
  • 物理療法(干渉波・振動)は補助的でADL改善の根拠は弱い
  • 大腿四頭筋の筋力強化が疼痛・機能改善の要
比較表
変形性膝関節症の理学療法とADL改善エビデンス
理学療法位置づけ
筋力増強運動推奨度高(ADL改善あり)
バランス練習推奨(ADL改善あり)
足底挿板補助的・効果限定的
干渉波・振動刺激補助的物理療法
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