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理由で解く 理学療法士

QP58P042 理学療法治療学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午後 問42
問題
腰椎椎間板ヘルニアで正しいのはどれか。
選択肢
1 急性期から間欠牽引を行う。
2 急性期から硬性コルセットを使用する。
3 急性期の疼痛に対して体操療法を行う。
4 進行性の筋力低下があれば手術療法を考慮する。
5 腰への負担を減らすために数か月間のベッド上安静とする。
解答
正解4(進行性の筋力低下があれば手術療法を考慮する。)
解説

腰椎椎間板ヘルニアは自然軽快が多く保存療法が原則。進行性の運動麻痺・膀胱直腸障害・難治性疼痛は手術適応となる。

腰椎椎間板ヘルニアの多くは脱出した髄核がマクロファージにより貪食・吸収され自然退縮するため、保存療法が第一選択となる。急性期は疼痛・炎症が強く、牽引や体操療法などの機械的負荷はむしろ症状を悪化させうるため安静と薬物療法が中心で、疼痛軽減後に運動療法へ移行する。一方、進行性の筋力低下(下垂足など運動麻痺の進行)、膀胱直腸障害、保存療法に抵抗する強い神経根症状は手術適応であり、麻痺の進行は早期手術を考慮すべき危険徴候である。長期の絶対安静は廃用や疼痛遷延を招くため推奨されない。

✗ 1. 誤り
急性期から間欠牽引を行う。
急性期の強い炎症・疼痛期には牽引は負荷となり推奨されない
✗ 2. 誤り
急性期から硬性コルセットを使用する。
装具は一般に軟性(腰痛ベルト)で十分で、急性期からの硬性コルセットは標準ではない
✗ 3. 誤り
急性期の疼痛に対して体操療法を行う。
疼痛の強い急性期の運動は症状を悪化させうる。運動療法は疼痛軽減後に行う
✓ 4. 正しい
進行性の筋力低下があれば手術療法を考慮する。
運動麻痺の進行は手術適応。正しい
✗ 5. 誤り
腰への負担を減らすために数か月間のベッド上安静とする。
長期臥床は廃用・疼痛遷延を招き推奨されない。安静は短期にとどめる
ポイント
  • 椎間板ヘルニアは自然退縮しやすく保存療法が原則
  • 手術適応=進行する運動麻痺・膀胱直腸障害・難治性疼痛
  • 急性期は安静・薬物、疼痛軽減後に運動療法
比較表
腰椎椎間板ヘルニアの治療方針
時期・状態対応
急性期(強い疼痛)安静・鎮痛薬、過度な牽引や運動は避ける
亜急性期以降運動療法・体操療法、腰痛ベルト
進行性麻痺・膀胱直腸障害手術療法を考慮
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