学習トップ理由で解く 理学療法士第4章 ▸ 一般 / QP53A091

理由で解く 理学療法士

QP53A091 臨床医学大要

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問91
問題
Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸障害について正しいのはどれか。
選択肢
1 咳をする力は保たれる。
2 口すぼめ呼吸が有効である。
3 側弯症は呼吸機能に影響しない。
4 動脈血二酸化炭素分圧が上昇する。
5 呼吸不全は5歳以下から生じることが多い。
解答
正解4(動脈血二酸化炭素分圧が上昇する。)
解説

DMDは呼吸筋(横隔膜・肋間筋・呼気筋)の進行性筋力低下による拘束性換気障害で、終末期には肺胞低換気からII型呼吸不全(PaCO2上昇)に至る。

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)はジストロフィン欠損による進行性の筋変性で、四肢近位筋に続いて呼吸筋も障害される。呼気筋・腹筋の筋力低下により咳の力(咳嗽力・最大呼気流量)が低下し排痰困難となる。肋間筋・横隔膜の筋力低下と脊柱側弯による胸郭変形が拘束性換気障害を進行させ、肺胞低換気により動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇するII型呼吸不全をきたす。呼吸不全は10歳代後半〜歩行不能となる時期以降に顕在化することが多く、夜間低換気に対してはまず非侵襲的陽圧換気(NPPV)が導入される。

✗ 1. 誤り
咳をする力は保たれる。
呼気筋・腹筋低下で咳嗽力(排痰力)は低下する
✗ 2. 誤り
口すぼめ呼吸が有効である。
口すぼめ呼吸はCOPDなど閉塞性・呼気時気道虚脱に有効で、拘束性のDMDには適応でない
✗ 3. 誤り
側弯症は呼吸機能に影響しない。
脊柱側弯による胸郭変形は拘束性換気障害を助長し呼吸機能を悪化させる
✓ 4. 正しい
動脈血二酸化炭素分圧が上昇する。
肺胞低換気によりPaCO2が上昇しII型呼吸不全となる
✗ 5. 誤り
呼吸不全は5歳以下から生じることが多い。
呼吸不全は歩行不能後の10歳代後半以降が多い
ポイント
  • DMDは拘束性換気障害でPaCO2上昇(II型呼吸不全)
  • 呼気筋低下で咳嗽力低下→排痰困難
  • 脊柱側弯・胸郭変形が呼吸機能を悪化
  • 夜間低換気にはNPPVを導入
比較表
呼吸不全の型と換気障害
項目拘束性(DMD)閉塞性(COPD)
%肺活量低下正常〜
1秒率正常低下
口すぼめ呼吸無効有効
PaCO2終末期に上昇進行期に上昇
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