学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ K. 自律神経系 / Q0678

理由で解く 解剖学

Q0678 神経系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題33
問題
自律神経系の中枢が存在する部位はどれか。
選択肢
1 大脳新皮質
2 視床下部
3 小脳皮質
4 脊髄白質
解答
正解2(視床下部)
解説
✗ 1. 誤り
大脳新皮質
大脳新皮質は高次認知・随意運動・感覚の統合を担う領域で、情動や自律反応に修飾的に関与するものの、自律神経系の直接の中枢ではない。新皮質の下位にある視床下部や脳幹が自律機能を統御する。
✓ 2. 正しい
視床下部
視床下部は間脳の腹側、第3脳室の底部をなす小さな領域で、体温・食欲・飲水・性行動・サーカディアンリズム・内分泌・血圧・発汗など全身の自律機能と内分泌機能を総合的に統合する最高中枢である。下垂体と密接に連絡し、下垂体後葉にはオキシトシン・バソプレシンを分泌する神経分泌路が通じ、前葉は視床下部ホルモンにより制御される。交感神経系・副交感神経系の上位中枢として両者の活動バランスを調整するため、本問の答えとなる。
✗ 3. 誤り
小脳皮質
小脳皮質は平衡・姿勢保持・随意運動の協調(運動学習を含む)を司る領域で、運動制御に特化している。自律機能を直接統御する中枢ではないため、本問の答えではない。
✗ 4. 誤り
脊髄白質
脊髄白質は上行性・下行性の神経線維束(伝導路)の通路であり、自律神経線維も通過するが、統合や司令を行う中枢ではない。側角(Th1-L2の交感、S2-S4の副交感)に自律神経細胞体が存在するが、設問の選択肢は白質であり中枢ではないため本問の答えではない。
ポイント
  • 視床下部は間脳腹側にあり、自律神経系と内分泌系の最高中枢として体温・摂食・体液・性機能・概日リズムを統御する。
  • 覚え方のコツ: 「視床=感覚の中継/視床下部=自律と内分泌のコントロールセンター」と役割で分ける。第3脳室の底を作る小領域、と位置も押さえる。
  • 関連知識: 脳幹(延髄・橋・中脳)には呼吸・心拍・血管運動など生命維持中枢がある。脊髄側角(Th1-L2交感、S2-S4副交感)には節前ニューロン細胞体が存在。
  • よくある間違い: 視床(感覚中継核)と視床下部(自律中枢)を混同/小脳を情動・自律と誤認/新皮質を自律神経の一次中枢と思い込む。
  • 臨床応用: 視床下部腫瘍や外傷では中枢性尿崩症(ADH分泌低下)、体温調節障害、摂食異常、思春期早発・遅発など多彩な内分泌・自律症状を生じる。
比較表
部位 主な役割 自律中枢か
視床下部 自律・内分泌・体温・摂食 最高中枢
脳幹 呼吸・循環・嚥下中枢 下位中枢
脊髄側角 節前ニューロン細胞体 末端中枢
大脳新皮質 高次認知・随意運動 修飾のみ
小脳 運動協調・平衡 非自律
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題33|自律神経系の中枢が存在する部位はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題33|自律神経系の中枢が存在する部位はどれか。
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