学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0624

理由で解く 解剖学

Q0624 神経系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題32
問題
上腕三頭筋の支配神経はどれか。
選択肢
1 橈骨神経
2 尺骨神経
3 正中神経
4 筋皮神経
解答
正解1(橈骨神経)
解説
✓ 1. 正しい
橈骨神経
橈骨神経はC5-T1由来で腕神経叢後束から起こる。上腕骨体後面の橈骨神経溝(らせん溝)を斜めに走行しながら上腕三頭筋(長頭・外側頭・内側頭)の3頭すべてを支配する。前腕では伸筋群を支配して手関節背屈・指伸展を担う。上腕三頭筋反射(C7)の運動路を構成する重要神経。
✗ 2. 誤り
尺骨神経
尺骨神経は上腕では枝を出さず、肘の内側上顆後方を通って前腕に下行する。前腕屈筋群の一部(尺側手根屈筋・深指屈筋尺側半)と手内筋の大部分(小指球筋・骨間筋・母指内転筋)を支配するが、上腕の伸筋である三頭筋は支配しない。
✗ 3. 誤り
正中神経
正中神経は上腕では枝を出さずに上腕動脈とともに内側上腕二頭筋溝を肘窩まで下行し、前腕屈筋群の大部分と母指球筋を支配する。上腕の伸筋(三頭筋)には全く関与しない。屈筋系統の代表神経である。
✗ 4. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は上腕屈筋群(上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋)を専属的に支配する。上腕の伸展を担う上腕三頭筋は橈骨神経支配であり、屈筋⇔伸筋の対で異なる神経が担当する。筋皮神経は前腕外側皮膚の感覚も担う(外側前腕皮神経)。
ポイント
  • 上腕三頭筋(長頭・外側頭・内側頭)はすべて橈骨神経(後束由来、C7主体)支配で、肘関節伸展を担う唯一の主動作筋である。
  • 覚え方のコツ: 「伸展は橈骨」と支配神経を機能で記憶。腕伸筋=橈骨神経、腕屈筋=筋皮神経、と前後で対応。
  • 関連知識: 上腕三頭筋反射の反射弓はC7-C8(橈骨神経経由)で、髄節レベル評価に有用。長頭は肩甲骨関節下結節から起こり、肩関節も越える二関節筋として肩伸展にも関与する。
  • よくある間違い: 「伸筋=筋皮神経」と覚え違いしないこと。筋皮神経は屈筋専門。橈骨神経は上腕の伸筋(三頭筋)と前腕の伸筋群(手・指の伸筋)の両方を支配する「伸筋系総帥」。
  • 臨床応用: 腋窩部での橈骨神経損傷(松葉杖麻痺など)では三頭筋を含む全橈骨神経支配筋が麻痺し、肘伸展不能・下垂手・上腕後面感覚障害をきたす。橈骨神経溝以遠の損傷では三頭筋は温存される。
比較表
上腕三頭筋の特徴 内容
起始(長頭) 肩甲骨関節下結節
起始(外側頭・内側頭) 上腕骨後面(橈骨神経溝の上方・下方)
停止 尺骨肘頭
支配神経 橈骨神経(C6-C8、主にC7)
主作用 肘関節伸展(長頭は肩関節伸展も)
反射 上腕三頭筋反射(C7-C8)
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題32|上腕三頭筋の支配神経はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題32|上腕三頭筋の支配神経はどれか。
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