学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0719

理由で解く 解剖学

Q0719 感覚器系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題34
問題
中耳に含まれるのはどれか。
選択肢
1 半規管
2 蝸牛管
3 前庭
4 耳小骨
解答
正解4(耳小骨)
解説
✗ 1. 誤り
半規管
半規管は内耳の骨迷路に属する平衡覚器で、互いに直交する3本の管(前・後・外側)からなる。膨大部稜が回転加速度を感受する。中耳ではない。
✗ 2. 誤り
蝸牛管
蝸牛管は内耳の蝸牛内にある膜迷路で、内リンパで満たされコルチ器を収容する。聴覚を成立させる場であって、中耳ではなく内耳に属する。
✗ 3. 誤り
前庭
前庭は内耳の中央部にある骨迷路で、前方の蝸牛と後方の半規管の玄関口をなす。内部に膜迷路(卵形嚢・球形嚢)と平衡斑があり平衡覚を司る。中耳には含まれない。
✓ 4. 正しい
耳小骨
耳小骨はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3個からなり、いずれも中耳の鼓室内に位置する。互いに関節で連結し、ツチ骨柄が鼓膜内面に付着、アブミ骨底が前庭窓にはまり込む。鼓膜の振動を約20倍に増幅して内耳の外リンパへと伝える機械的レバー機構を構成する。鼓膜張筋(V3=下顎神経支配)はツチ骨柄に、アブミ骨筋(顔面神経VII支配)はアブミ骨頭に付着し、強大音に反射的に収縮して耳小骨の動きを抑制し、内耳を過剰刺激から保護する(耳小骨筋反射)。鼓室・耳管・耳小骨が中耳の3要素である。
ポイント
  • 中耳はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3個の耳小骨を備え、鼓膜の振動を機械的レバー機構で増幅し前庭窓を介して内耳に伝える。
  • 覚え方のコツ: 「ツチ・キヌタ・アブミ」と語呂で順に覚える(鼓膜→前庭窓の順)。鼓膜張筋=V3、アブミ骨筋=VIIと「Ⅴ→Ⅶ」の順番で覚える。
  • 関連知識: 中耳の構成は鼓室・耳管・耳小骨3個。鼓室の後方は乳突蜂巣に通じ、中耳炎が乳様突起炎へ波及することがある。
  • よくある間違い: 蝸牛・前庭・半規管はすべて内耳の構造で、耳小骨だけが中耳というのを混同しやすい。「鼓室の中の3個の小さな骨」と画像でイメージすると間違いにくい。
  • 臨床応用: 耳硬化症はアブミ骨底が前庭窓に固着する伝音性難聴。慢性中耳炎では耳小骨連鎖の破壊により伝音難聴を生じ、鼓室形成術や人工耳小骨で機能再建が行われる。
比較表
耳小骨 接続位置 付着筋 神経
ツチ骨(malleus) 鼓膜内面 鼓膜張筋 三叉神経下顎枝(V3)
キヌタ骨(incus) ツチ骨とアブミ骨の間 なし
アブミ骨(stapes) 前庭窓に底がはまる アブミ骨筋 顔面神経(VII)
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題34|中耳に含まれるのはどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題34|中耳に含まれるのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手