学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0718

理由で解く 解剖学

Q0718 感覚器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題35
問題
聴覚に関係するのはどれか。
選択肢
1 卵形嚢
2 半規管
3 蝸牛管
4 前庭神経
解答
正解3(蝸牛管)
解説
✗ 1. 誤り
卵形嚢
卵形嚢は前庭にある膜迷路の袋状構造で、内面の平衡斑が水平方向の直線加速度や頭の傾きを感受する。聴覚ではなく平衡覚に関与する受容器を備える。
✗ 2. 誤り
半規管
半規管は互いに直交する3本(前・後・外側)のループ状の管で、膨大部の膨大部稜が頭の回転運動(角加速度)を感受する。聴覚には関与しない平衡覚器である。
✓ 3. 正しい
蝸牛管
蝸牛管は蝸牛内の膜迷路で、前庭階と鼓室階の間に挟まれた中2階構造をなす。内部は内リンパで満たされ、底面の基底板上にコルチ器(ラセン器)が並ぶ。基底膜の振動を有毛細胞が感受し、その情報が蝸牛神経を介して中枢へ伝えられて聴覚が成立する。すなわち、蝸牛管は聴覚の本体的構造であり、外耳・中耳から伝わってきた音波エネルギーを最終的に神経インパルスに変換する場である。蝸牛の周波数選択性は基底板の幅と剛性が基部から頂部にかけて変化することにより、高音は基部・低音は頂部で受容される(場所説)。
✗ 4. 誤り
前庭神経
前庭神経は内耳神経(VIII)の一根で、卵形嚢・球形嚢の平衡斑および3本の半規管の膨大部稜から平衡覚情報を中枢へ伝える。聴覚情報を伝えるのは同じ第VIII脳神経でも蝸牛神経のほうである。
ポイント
  • 蝸牛管は内リンパで満たされた膜迷路で、コルチ器(ラセン器)を内部に収め、聴覚を成立させる場となる。
  • 覚え方のコツ: 「蝸牛=聴/前庭・半規管=平衡」の二大原則。蝸牛の3階構造は「前庭階(外)→蝸牛管(内)→鼓室階(外)」と外・内・外でサンドイッチ。
  • 関連知識: 前庭階と鼓室階は外リンパで満たされ、蝸牛の頂部(蝸牛孔)で互いに連絡する。蝸牛管の内リンパとは膜迷路の壁(ライスネル膜・基底板)で隔てられる。
  • よくある間違い: 「蝸牛」と「蝸牛管」を混同しやすいが、蝸牛は骨迷路の名称で内部に前庭階・蝸牛管・鼓室階の3階を含む。「蝸牛管」は中2階の膜迷路のみを指す狭い概念。
  • 臨床応用: メニエール病は蝸牛管(内リンパ)の水腫が原因で、難聴・耳鳴・回転性めまいの3徴をきたす。蝸牛管圧亢進が周囲の前庭・半規管にも波及し聴覚+平衡覚障害が同時に起こる。
比較表
蝸牛の3階構造 内容物 構造
前庭階 外リンパ 前庭窓に始まる上階
蝸牛管(中2階) 内リンパ 基底板上にコルチ器
鼓室階 外リンパ 蝸牛窓で消失する下階
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題35|聴覚に関係するのはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題35|聴覚に関係するのはどれか。
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