
この図の解説
図は側頭部を切り開き、右の耳介・外耳道から中耳、そして左奥の内耳へと連なる断面を示している。まず外耳道が外側の軟骨部と内側の骨部に分かれる点を確認し、その突き当たりにある鼓膜を境に中耳(鼓室)が始まることをつかむ。鼓室の奥にはツチ骨とキヌタ骨が並び、鼓膜の振動を内耳へ中継する。注目すべきは、鼓室から前下方へ細長く伸びる耳管で、図では骨部と軟骨部の2部に分かれて咽頭側へ向かう。この管が鼓室と咽頭を連絡する通路である。あわせて、鼓膜張筋が耳管の骨部に沿って走り、顔面神経・膝神経節・大錐体神経が鼓室の上方を通ることも読み取れる。鼓室は鼓膜・耳小骨・耳管をひとまとめにした「音波を振動に変える部屋」であり、耳管はその圧を外気とそろえる換気口だと理解しておく。
学習の要点
- 中耳は鼓膜・鼓室・耳管からなり、外耳から来る音波を振動にかえて内耳に伝える部位である。
- 覚え方のコツ:耳管は「鼓室と咽頭をつなぐトンネル」。普段は圧平されて閉じ、飲み込むと一時的に開いて鼓室内圧を外気圧と等しく保つ。
- 関連知識:鼓室内にはツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の耳小骨があり関節で連結。耳小骨筋(鼓膜張筋・アブミ骨筋)は強い音で収縮し、内耳を過剰刺激から守る。
- よくある間違い:鼓室の内側壁には前庭窓(庭窓)の膜があるため、中耳と内耳に直接の交通はない。「つながっている」と誤解しやすい。
- 臨床応用:耳管が閉塞すると鼓室が陰圧となり鼓膜が内方へ陥没し難聴に、開放されたままだと自分の声が響く自声強聴が起こる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
鼓室の内側壁には卵円形の( )の膜があるため、中耳と内耳の間には直接の交通はない。
答えを見る
答え: 前庭窓(庭窓)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。