学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ A. 視覚器 / Q0691

理由で解く 解剖学

Q0691 感覚器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題32
問題
物を見るとき焦点の合う部位はどれか。
選択肢
1 中心窩
2 視神経円板
3 網膜前方部
4 脈絡膜
解答
正解1(中心窩)
解説
✓ 1. 正しい
中心窩
中心窩は黄斑の中央にあるわずかにくぼんだ部位で、錐体細胞が密集し、双極細胞や神経節細胞が周辺に押しやられた構造をとるため光が直接錐体に届く。このため中心窩は網膜のなかで最も視力が高く、物を注視するときに像の焦点が結ばれる部位である。中心窩で生じた像を背景に、周辺視野は主に杆体細胞が担い明暗を識別する。中心窩を含む黄斑の障害(加齢黄斑変性など)では中心視力が著しく損なわれる。
✗ 2. 誤り
視神経円板
視神経円板(視神経乳頭)は視神経線維が眼球から出ていく部位で、視細胞が存在しないため光を感じない盲点(マリオット盲点)である。黄斑の内側約4mmに位置し、焦点が合う場所ではない。
✗ 3. 誤り
網膜前方部
網膜前方部(毛様体・虹彩の内面)は網膜盲部で視細胞をもたず光を感じない。焦点結像は網膜後方部の黄斑・中心窩で行われる。
✗ 4. 誤り
脈絡膜
脈絡膜は眼球壁中層の血管膜で、網膜の外側に位置しメラニン色素と血管に富む。光の乱反射を防ぎ網膜に栄養を供給するが、視細胞を持たず焦点が合う場所ではない。
ポイント
  • 網膜の黄斑中央にある中心窩は錐体細胞が密集し、視力が最高で物を注視する際の結像点となる。
  • 覚え方のコツ: 「黄斑中心=中心窩=焦点」「視神経乳頭=盲点」とセットで対比記憶。
  • 関連知識: 黄斑は視神経円板の約4mm外側にある直径約2mmの黄色の丸い部位で、その中央が中心窩。
  • よくある間違い: 視神経円板(乳頭)は視神経の出口で視細胞を欠く「盲点」であり、「中心」という語の連想から焦点と混同しやすい。
  • 臨床応用: 加齢黄斑変性は中心窩周辺が障害され中心視野欠損・視力低下をきたす代表疾患で、高齢者の視覚障害の大きな原因となる。
比較表
部位 特徴 機能
中心窩(黄斑中央) 錐体細胞密集 最高視力・色覚、焦点結像
黄斑周囲 錐体多めだが中心窩ほどではない 中心視野の補助
網膜周辺部 杆体細胞多数 暗所視・周辺視野
視神経円板(乳頭) 視細胞なし 盲点(視神経出口)
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題32|物を見るとき焦点の合う部位はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題32|物を見るとき焦点の合う部位はどれか。
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