
この図の解説
図は脳を底面(下から)見上げた像で、脳へ入る動脈を追える。まず血液の入口は左右2系統ある。前方からは内頚動脈が入り、視神経の外側で前大脳動脈と中大脳動脈に分かれる。後方からは左右の椎骨動脈が延髄の前で合流して1本の脳底動脈となり、これが左右の後大脳動脈に分かれる。右上の模式図に注目すると、左右の前大脳動脈を前交通動脈がつなぎ、内頚動脈と後大脳動脈を後交通動脈がつないで、脳底部に一つの動脈の輪(大脳動脈輪=ウィリス動脈輪)ができている。この輪は左右・前後の血流を融通し合う安全装置である。脳底動脈からは上小脳動脈・前下小脳動脈、椎骨動脈からは後下小脳動脈が小脳へ、また前脊髄動脈・後脊髄動脈が脊髄へ向かうのも図で確認できる。
学習の要点
- 脳の動脈は「前方=内頚動脈系」と「後方=椎骨・脳底動脈系」の2系統で入り、脳底で大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)に連絡する。
- 覚え方のコツ:椎骨動脈は左右で1本の脳底動脈に合流し、脳底動脈は左右の後大脳動脈に分かれる。「2→1→2」と数の変化で流れを掴む。
- 関連知識:内頚動脈は総頚動脈が分かれた枝、椎骨動脈は鎖骨下動脈の枝。入口の親血管がそれぞれ違う点を押さえる。
- よくある間違い:前交通動脈は1本(左右の前大脳動脈を結ぶ)、後交通動脈は左右に1本ずつ(内頚動脈と後大脳動脈を結ぶ)。数を取り違えやすい。
- 臨床応用:脳の動脈は終動脈的で吻合に乏しく、閉塞すると支配領域が壊死=脳梗塞となる。大脳動脈輪は側副路として一部を補う。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
脳底部で左右・前後の動脈が輪状につながった構造を( )という。
答えを見る
答え: 大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。