学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0155

理由で解く 解剖学

Q0155 循環器系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題28
問題
静脈において動脈に伴行しないのはどれか。
選択肢
1 内頸静脈
2 上腕静脈
3 大伏在静脈
4 膝窩静脈
解答
正解3(大伏在静脈)
解説
✗ 1.
内頸静脈
✗ 正しい。 内頸静脈は頸静脈孔から下行して総頸動脈・迷走神経とともに頸動脈鞘に包まれ、鎖骨下静脈と合流して腕頭静脈を形成する深部の伴行静脈である。頸動脈鞘内で総頸動脈と並走するため「伴行する」典型例であり、中心静脈カテーテル挿入の指標にもなる。
✗ 2.
上腕静脈
✗ 正しい。 上腕静脈は上腕動脈に寄り添って上腕の内側深部を走る伴行静脈で、通常は動脈を挟むように左右2本で走ることが多い。腋窩に入ると腋窩静脈に移行し、鎖骨下静脈→腕頭静脈と中枢へ向かう。深静脈系(動脈伴行静脈)の代表例である。
✓ 3. 誤り
大伏在静脈
大伏在静脈は下肢最大の皮静脈で、足背静脈網から始まり内果の前方を通り下腿・大腿の内側を皮下(浅筋膜下)に上行し、鼠径部の伏在裂孔で大腿静脈に注ぐ。全長にわたり筋膜の外側(皮下組織)を走るため、並行する動脈を持たず伴行静脈ではない。内果前方で容易に触知・穿刺できる皮静脈である。
✗ 4.
膝窩静脈
✗ 正しい。 膝窩静脈は膝窩動脈と並んで膝窩の深部を走る伴行静脈で、脛骨動脈の伴行静脈が合流して始まり、内転筋裂孔を抜けて大腿静脈に移行する。下肢の深部静脈系の中継点で、深部静脈血栓症(DVT)の好発部位でもある。
ポイント
  • 静脈は「皮静脈(表在・動脈非伴行)」と「深静脈(伴行静脈)」に大別され、大伏在静脈・小伏在静脈・尺側皮静脈・橈側皮静脈が代表的な皮静脈である。
  • 覚え方のコツ: 「伏在=皮静脈、伴行しない」とセット暗記。逆に「○○動脈がある部位の○○静脈」は動脈伴行静脈と判断する。
  • 関連知識: 皮静脈と深静脈は穿通静脈(交通枝)で繋がり、穿通静脈には逆流防止弁が発達している。この弁が機能不全になると下肢静脈瘤が形成される。
  • よくある間違い: 膝窩静脈を「膝窩に近いから皮静脈」と誤認する。膝窩静脈は筋膜下の深部を走る伴行静脈である。
  • 臨床応用: 大伏在静脈は冠動脈バイパス術(CABG)や下肢動脈バイパスのグラフト材料として頻用される。弁があり長さも十分取れ採取が容易なため。
比較表
分類 下肢の例 上肢の例 走行 動脈伴行
皮静脈(表在) 大伏在静脈・小伏在静脈 橈側皮静脈・尺側皮静脈 皮下組織(浅筋膜内) しない
深静脈(伴行) 大腿静脈・膝窩静脈・脛骨静脈 上腕静脈・橈骨静脈 筋膜下で動脈と並走 する
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題28|静脈において動脈に伴行しないのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題28|静脈において動脈に伴行しないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手