学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0337

理由で解く 解剖学

Q0337 消化器系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題26
問題
肝臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 横隔膜に接する。
2 肝静脈は肝門を通過する。
3 第9 胸椎に接する。
4 門脈は肝鎌状間膜を通過する。
解答
正解1(横隔膜に接する。)
解説
✓ 1. 正しい
横隔膜に接する。
肝臓の横隔面(上面)は横隔膜のドーム状下面に密着し、呼吸運動によって肝臓は横隔膜とともに上下に動く。冠状間膜の間にはさまれた無漿膜野では肝と横隔膜が結合組織で直接接着する。横隔膜を介して右肺下葉・心膜(右室下面)と隣接し、肝膿瘍が胸腔・心膜腔に波及する経路となる。
✗ 2. 誤り
肝静脈は肝門を通過する。
肝静脈は肝門を通らず、肝臓後面の下大静脈溝から下大静脈に直接注ぐ。肝門を出入りするのは固有肝動脈・門脈・肝管の3要素であり、肝静脈は別経路で下大静脈系に流入する。
✗ 3. 誤り
第9 胸椎に接する。
肝臓の後面が接するのは胸椎ではなく下大静脈・右副腎・右腎上部であり、胸椎と直接接する構造ではない。肝臓上縁は第5〜6肋間、下縁は右肋骨弓下縁で、脊椎とは後腹壁構造を介して距離がある。
✗ 4. 誤り
門脈は肝鎌状間膜を通過する。
門脈は肝鎌状間膜ではなく、小網の自由縁である肝十二指腸間膜内を走行して肝門に至る。肝鎌状間膜は肝前上面から前腹壁・横隔膜に張る縦走する腹膜ヒダで、自由縁に含まれるのは肝円索(臍静脈遺残)であり、門脈ではない。
ポイント
  • 肝横隔面は横隔膜に接し、呼吸運動で肝は上下に移動。無漿膜野では肝と横隔膜が結合組織で直接連絡する。
  • 覚え方のコツ: 「肝の上は横隔膜、下は十二指腸・右腎、前は腹壁、後ろは下大静脈」と4方向で配置整理する。
  • 関連知識: 肝臓を横隔膜に固定する間膜として冠状間膜・三角間膜・肝鎌状間膜がある。冠状間膜2葉の間の無漿膜野では結合組織で直接固定される。
  • よくある間違い: 「肝静脈は肝門を通る」「門脈は肝鎌状間膜を通る」といった入口経路の混同に注意。肝門は下面中央、鎌状間膜は前上面で位置が全く異なる。
  • 臨床応用: 右肩痛が肝病変(肝膿瘍・肝被膜下血腫)の関連痛として現れることがある。横隔膜刺激が横隔神経(C3-5)を介して右肩のC4領域皮膚に放散するためである。
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題26|肝臓について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題26|肝臓について正しい記述はどれか。
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