
この図の解説
図は肝臓を前面と上部後面の2方向から示し、表面を包む腹膜のヒダ(間膜)と、腹膜に覆われない領域を対比している。まず見るべきは上部後面図の右上にある「肝臓横隔面(無漿膜野)」で、ここは腹膜が届かず横隔膜に直接かたく付着する部分にあたる。前面をおおった腹膜は上方で折れ返り、その折り返し線が肝冠状間膜、正中で前下方へ垂れ下がるヒダが肝鎌状間膜として描かれる。肝鎌状間膜を境に、右側の厚く大きい右葉と左側の薄く小さい左葉に分かれる。冠状間膜の左右端はそれぞれ左肝三角間膜・右肝三角間膜となり、肝鎌状間膜の遊離縁下端には胎生期の臍静脈の遺残である肝円索(線維付属)が続く。後面には尾状葉、肝静脈、それが注ぐ下大静脈も確認できる。
学習の要点
- 無漿膜野(肝臓横隔面)は腹膜に覆われず横隔膜に直接付着する領域で、肝冠状間膜と左右の肝三角間膜に囲まれる。
- 覚え方のコツ: 腹膜が「冠状間膜」で折り返す→折り返しの内側は膜が届かず「無漿膜野」。間膜(冠状・三角・鎌状)は腹膜の縁、無漿膜野は腹膜の穴と対で覚える。
- 関連知識: 肝鎌状間膜は前腹壁と肝臓をつなぐ腹膜ヒダで、その遊離縁に走る肝円索は胎児期の臍静脈の遺残。胆嚢は右葉下面、肝門には固有肝動脈・門脈・肝管が出入りする。
- よくある間違い: 肝鎌状間膜が右葉と左葉の境界であるのに、尾状葉や方形葉との境と取り違える。左右葉を分けるのは鎌状間膜。
- 臨床応用: 無漿膜野は横隔膜と癒着しているため、肝上面の膿瘍や炎症が横隔膜を介して胸腔側へ波及しやすい部位として意識される。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
肝臓の上面は( )と呼ばれ、この面の後方には腹膜に覆われず横隔膜に直接付着する無漿膜野がある。
答えを見る
答え: 横隔面
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。