学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0112

理由で解く 解剖学

Q0112 循環器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題37
問題
斜角筋隙を通過する血管はどれか。
選択肢
1 総頸動脈
2 腕頭動脈
3 椎骨動脈
4 鎖骨下動脈
解答
正解4(鎖骨下動脈)
解説
✗ 1. 誤り
総頸動脈
総頸動脈は胸鎖乳突筋に覆われて気管と甲状腺の外側を上行し、甲状軟骨上縁の高さで内頸動脈と外頸動脈に分岐する。斜角筋隙を通過することはなく、前斜角筋の前方内側を走行する。
✗ 2. 誤り
腕頭動脈
腕頭動脈は大動脈弓第1枝として胸郭上口の右側を上行し、胸鎖関節の後方で右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分岐する。斜角筋隙は右鎖骨下動脈になって以降に通過する部位であり、腕頭動脈は到達しない。
✗ 3. 誤り
椎骨動脈
椎骨動脈は鎖骨下動脈が斜角筋隙を通過する「前」に分枝し、そのまま第6頸椎の横突孔に入って上行する。斜角筋隙ではなく横突孔を通る血管であり、走行経路が異なる。
✓ 4. 正しい
鎖骨下動脈
鎖骨下動脈は胸郭上口を出た後、第1肋骨の上面で前斜角筋と中斜角筋に挟まれた隙間、すなわち斜角筋隙を腕神経叢と並走して通過し、鎖骨下に出て腋窩動脈に移行する。斜角筋隙には鎖骨下動脈と腕神経叢が通り、鎖骨下静脈は前斜角筋の前を通るため隙の外側を走るという配置の違いも押さえる。この狭い通路での圧迫が胸郭出口症候群の原因となる。
ポイント
  • 斜角筋隙は前斜角筋と中斜角筋の間の三角形の隙間で、鎖骨下動脈と腕神経叢が通る。
  • 覚え方のコツ: 「動脈と神経は前・中の間/静脈は前の前」。鎖骨下静脈は前斜角筋の前を通り、動脈と同じ隙間は通らない。
  • 関連知識: 鎖骨下動脈は胸郭上口を出た直後に椎骨動脈を出し、斜角筋隙を越えて内胸動脈・甲状頸動脈・肋頸動脈を出す。
  • よくある間違い: 椎骨動脈と鎖骨下動脈の通過部位を取り違える。椎骨動脈は横突孔、鎖骨下動脈本幹は斜角筋隙。
  • 臨床応用: 胸郭出口症候群は斜角筋隙や肋鎖間隙で鎖骨下動脈・腕神経叢が圧迫され、上肢のしびれ・冷感・拍動低下を呈する。前斜角筋過緊張はその典型的原因。
比較表
構造物 斜角筋隙の通過
鎖骨下動脈 通過(腕神経叢と同じ)
腕神経叢 通過
鎖骨下静脈 通過せず(前斜角筋の前)
椎骨動脈 通過せず(横突孔を上行)
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題37|斜角筋隙を通過する血管はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題37|斜角筋隙を通過する血管はどれか。
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