学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0111

理由で解く 解剖学

Q0111 循環器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題33
問題
縦隔内に存在しない器官はどれか。
選択肢
1 食道
2
3 心臓
4 胸大動脈
解答
正解2(肺)
解説
✗ 1. 誤り
食道
食道は気管の後方を垂直に下行する管腔臓器で、後縦隔に位置する。胸大動脈や奇静脈とともに後縦隔の主要構成要素であり、縦隔内の代表的な臓器である。
✓ 2. 正しい
肺は胸郭の左右に位置し、胸膜腔に収まる臓器で、縦隔の外側に配置される。縦隔は左右の肺(胸膜腔)に挟まれた中央部の空間であり、肺そのものは縦隔の構成要素ではない。肺門部で気管支・肺動静脈・神経・リンパ管が縦隔と肺の境界をつなぐが、肺実質は縦隔外に位置する。この「縦隔=左右肺に挟まれた中央の空間」という定義を確実に覚えておく。
✗ 3. 誤り
心臓
心臓は心膜に包まれて中縦隔に位置する。縦隔の中央部に収まる最大の臓器で、左右の胸膜腔の間で胸骨の後面にある。縦隔の中核的構成要素である。
✗ 4. 誤り
胸大動脈
胸大動脈は後縦隔を脊柱の左側に沿って下行する。肋間動脈・気管支動脈・食道動脈を出しながら横隔膜の大動脈裂孔で腹大動脈に移行する。縦隔内の主要血管である。
ポイント
  • 縦隔は左右の肺(胸膜腔)に挟まれた胸部中央の空間で、肺そのものは含まれない。
  • 覚え方のコツ: 上縦隔(胸腺・大血管・気管上部)、中縦隔(心臓・心膜・気管分岐)、前縦隔(胸腺残余・脂肪)、後縦隔(食道・胸大動脈・奇静脈)の4区画で臓器を整理する。
  • 関連知識: 縦隔内を通過する神経は迷走神経・横隔神経・交感神経幹。リンパ装置として胸腺や気管気管支リンパ節がある。
  • よくある間違い: 気管支や肺門部の血管を「肺」と混同する。肺門は縦隔の境界であり、肺実質は縦隔外である。
  • 臨床応用: 縦隔腫瘍は前縦隔(胸腺腫)、中縦隔(リンパ腫・嚢胞)、後縦隔(神経原性腫瘍)で好発部位が異なる。縦隔気腫は気管支破裂や食道損傷で生じる。
比較表
縦隔の区画 主な内容物
上縦隔 胸腺、大動脈弓、上大静脈、気管、食道上部
前縦隔 胸腺残余、脂肪、リンパ節
中縦隔 心臓、心膜、気管分岐部、主気管支
後縦隔 食道、胸大動脈、奇静脈、胸管、迷走神経
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題33|縦隔内に存在しない器官はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題33|縦隔内に存在しない器官はどれか。
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