学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0231

理由で解く 解剖学

Q0231 呼吸器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題16
問題
線毛上皮を有する器官はどれか。
選択肢
1 血管
2 大腸
3 気管
4 子宮
解答
正解3(気管)
解説
✗ 1. 誤り
血管
血管の内面は単層扁平上皮(内皮)で覆われており、線毛は存在しない。内皮細胞は血流との摩擦を最小化し、物質交換・血液凝固調節・血管緊張調節などの多彩な機能を担うが、運動性の線毛を持たない。
✗ 2. 誤り
大腸
大腸の粘膜上皮は単層円柱上皮で、杯細胞を豊富に含み粘液を分泌するが線毛は持たない。消化管の内容物は蠕動運動で輸送されるため、線毛による輸送機構は不要である。なお小腸も同様に線毛上皮ではなく微絨毛を持つ単層円柱上皮である。
✓ 3. 正しい
気管
気管の内面は多列線毛上皮(偽重層線毛円柱上皮)で覆われ、杯細胞が粘液を分泌する。線毛は秒間10〜20回の協調的な打撃運動により粘液に付着した塵埃・病原体を喉頭方向へ輸送する「粘液線毛クリアランス(mucociliary clearance)」を営む。この構造は鼻腔・咽頭・喉頭(声帯部を除く)・主気管支・葉気管支・区域気管支・細気管支まで連続し、気道の自浄作用の根幹をなす。終末細気管支以下では線毛が消失する。
✗ 4. 誤り
子宮
子宮体部の内膜は単層円柱上皮で、多くの部位は線毛を持たない分泌細胞であるが、卵管の粘膜には線毛細胞が豊富に存在し、卵を子宮方向へ輸送する。本問では「子宮」として出題されており、子宮本体の主たる上皮は線毛を特徴としないため不適である。
ポイント
  • 気管の内面は多列線毛上皮+杯細胞で覆われ、粘液線毛クリアランスにより異物を喉頭側へ排出する。
  • 覚え方のコツ: 「線毛は呼吸器と卵管」=気道(鼻腔〜細気管支)と卵管が主な線毛上皮の場、と2系統で覚える。
  • 関連知識: 気道上皮は終末細気管支で線毛が消失し、呼吸細気管支〜肺胞は単層扁平上皮(I型肺胞上皮)となる。
  • よくある間違い: 「子宮=線毛」と短絡する(実際は卵管が線毛を持ち子宮体部は分泌優位)/大腸を線毛と混同する。
  • 臨床応用: 原発性線毛機能不全症(カルタゲナー症候群)では線毛の運動障害により反復性気管支炎・副鼻腔炎・不妊を呈する。
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題16|線毛上皮を有する器官はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題16|線毛上皮を有する器官はどれか。
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