学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0232

理由で解く 解剖学

Q0232 呼吸器系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題25
問題
左右の主気管支について正しい記述はどれか。
選択肢
1 右側の傾斜は垂直に近い。
2 右側は2 本の葉気管支に分かれる。
3 左側の方が短い。
4 左側の方が太い。
解答
正解1(右側の傾斜は垂直に近い。)
解説
✓ 1. 正しい
右側の傾斜は垂直に近い。
右主気管支は気管の延長線からの分岐角が小さく(約25°)、走行が垂直に近いのが特徴である。これに対し左主気管支は心臓が左前方に寄って位置する関係で水平方向に押しやられ、分岐角は約45°と大きくなる。結果として右は「太く・短く・垂直」、左は「細く・長く・水平」という左右差が生じ、誤嚥した異物は重力と走行の関係で右主気管支から右肺(特に下葉)に落ちやすい。この左右非対称性は気管支鏡での異物除去・挿管管理の理解において臨床的にも極めて重要である。
✗ 2. 誤り
右側は2 本の葉気管支に分かれる。
右肺は上葉・中葉・下葉の3葉から成るため、右主気管支は上葉気管支・中葉気管支・下葉気管支の3本に分岐する。2本に分かれるのは左主気管支(上葉気管支・下葉気管支)であり、左右を取り違えた記述である。
✗ 3. 誤り
左側の方が短い。
左主気管支は心臓を避けて水平に長く走行するため、右主気管支よりも長い。一般に右主気管支は約2〜3cm、左主気管支は約5cmとされる。本肢は長短を左右逆に記述しており誤りである。
✗ 4. 誤り
左側の方が太い。
左主気管支は右主気管支より細い。右肺が左肺より容積が大きい(右約1,200ml、左約1,000ml)ため、それを養う右主気管支の方が内径も太くなる。本肢は太さを左右逆に記述しているため誤りである。
ポイント
  • 右主気管支は太く・短く・垂直に近く、左主気管支は細く・長く・水平に近い。誤嚥異物は右に入りやすい。
  • 覚え方のコツ: 「右は3(葉)・2-3cm・25°・太・短・垂直」/「左は2(葉)・5cm・45°・細・長・水平」と数で対比する。
  • 関連知識: 気管分岐部は第4-5胸椎の高さで、気管竜骨(carina)を境に左右に分かれる。
  • よくある間違い: 左右を取り違える(特に長短・太細の逆記憶)/肺葉数と葉気管支数の左右を取り違える。
  • 臨床応用: 小児の誤嚥では右下葉に異物が入りやすい。片肺挿管では気管チューブが右主気管支に進入し左肺換気が失われる。
比較表
項目 右主気管支 左主気管支
太さ 太い 細い
長さ 約2-3cm(短) 約5cm(長)
分岐角 約25°(垂直に近い) 約45°(水平に近い)
分岐数 3本(上・中・下葉気管支) 2本(上・下葉気管支)
誤嚥異物 入りやすい 入りにくい
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題25|左右の主気管支について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題25|左右の主気管支について正しい記述はどれか。
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