学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0233

理由で解く 解剖学

Q0233 呼吸器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題16
問題
線毛上皮を有するのはどれか。
選択肢
1 尿管
2 食道
3 子宮
4 気管
解答
正解4(気管)
解説
✗ 1. 誤り
尿管
尿管の粘膜上皮は移行上皮(尿路上皮)であり、線毛は存在しない。移行上皮は尿量変化に応じて厚さと細胞形を変化させ、傘細胞のアピカル膜は尿に対するバリアとして機能する。尿は蠕動運動により腎盂から膀胱へ輸送される。
✗ 2. 誤り
食道
食道の粘膜上皮は重層扁平上皮であり、食塊の通過による機械的摩耗に耐える構造となっている。線毛は持たず、食塊は食道壁の蠕動運動により輸送される。消化管で重層扁平上皮を有するのは口腔・咽頭・食道・肛門管であり、いずれも線毛上皮ではない。
✗ 3. 誤り
子宮
子宮体部の内膜上皮は単層円柱上皮(分泌性)で、線毛を持つ細胞は乏しい。子宮頸管も主として分泌上皮である。線毛を豊富に有するのは卵管上皮で、受精卵や卵の輸送を担う。子宮本体を「線毛上皮」と答えるのは誤りである。
✓ 4. 正しい
気管
気管の内面は多列線毛上皮(偽重層線毛円柱上皮)で覆われ、線毛細胞と杯細胞が混在する。線毛は毎秒10〜20回の協調的な打撃運動により、杯細胞が分泌した粘液に付着した塵埃・細菌を喉頭方向に秒間数mm〜1cm程度で輸送する粘液線毛クリアランスを営む。この構造は鼻腔から細気管支まで連続し、気道全体の防御機構の根幹をなす。喫煙により線毛運動が障害されると慢性気管支炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)の基盤となる。
ポイント
  • 気管の内面は多列線毛上皮+杯細胞であり、粘液線毛クリアランスで異物を排出する。
  • 覚え方のコツ: 「気道=線毛/消化管=重層扁平or円柱/泌尿路=移行」と臓器系統ごとの上皮の原則を暗記する。
  • 関連知識: 気管〜細気管支は線毛あり、終末細気管支以下は線毛消失、呼吸細気管支〜肺胞はガス交換用の薄い扁平上皮。
  • よくある間違い: 食道を円柱上皮と誤解する(正しくは重層扁平上皮)/子宮本体と卵管を混同する。
  • 臨床応用: 喫煙で線毛運動低下→粘液排出不良→慢性気管支炎・COPDへ進展。線毛ジスキネジア症候群では不妊・気管支拡張症を合併。
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題16|線毛上皮を有するのはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題16|線毛上皮を有するのはどれか。
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