学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1072

理由で解く 解剖学

Q1072 運動器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題32
問題
後頸三角を通らないのはどれか。
選択肢
1 副神経
2 頸横動脈
3 腕神経叢
4 椎骨動脈
解答
正解4(椎骨動脈)
解説
✗ 1.
副神経
✗ 正しい。 副神経(XI)は胸鎖乳突筋を貫いた後、後頸三角の浅層を斜めに横切って僧帽筋の深部へ入る。後頸三角の代表的な通過神経である。
✗ 2.
頸横動脈
✗ 正しい。 頸横動脈は甲状頸動脈の枝で、後頸三角を外側へ横切って肩甲背筋群(肩甲挙筋・菱形筋・僧帽筋)を栄養する。後頸三角内の代表的な動脈である。
✗ 3.
腕神経叢
✗ 正しい。 腕神経叢(C5〜T1)は斜角筋隙を出た後、後頸三角の下部を通過して鎖骨下の腋窩に向かう。鎖骨上部での腕神経叢ブロックは後頸三角がランドマークとなる。
✓ 4. 誤り
椎骨動脈
椎骨動脈は鎖骨下動脈から分枝した後、第6頸椎から第1頸椎までの横突孔を上行し、大後頭孔から頭蓋腔に入る。走行は頸椎の深部(横突孔内)であり、体表側にある後頸三角を通らない。後頸三角を通る動脈は鎖骨下動脈(下縁近く)・頸横動脈・肩甲上動脈などで、椎骨動脈は一段深いレベルを上行するため区別が必要である。
ポイント
  • 後頸三角を通るのは副神経・腕神経叢・頸神経叢皮枝・頸横動脈・外頸静脈。椎骨動脈は横突孔内を上行するため通らない。
  • 覚え方のコツ: 「表層の神経・血管は通る、深層の椎骨動脈は通らない」と深さで区別する。
  • 関連知識: 椎骨動脈はC6横突孔から入りC1横突孔を出て大後頭孔から頭蓋内へ。脳の後ろ1/4を栄養する。
  • よくある間違い: 椎骨動脈が後頸三角の深部にあると考えて含めてしまう/副神経を前頸三角に含めてしまう。
  • 臨床応用: 後頸三角は副神経麻痺・腕神経叢ブロック・頸神経叢ブロックの臨床的ランドマーク。鍼灸では鎖骨上部の刺鍼深度に注意。
比較表
通過する構造 通過しない構造
副神経(XI) 椎骨動脈(横突孔を走行)
腕神経叢 内頸動脈(頸動脈鞘内)
頸神経叢皮枝(小後頭・大耳介・頸横・鎖骨上神経) 総頸動脈(頸動脈鞘内)
頸横動静脈・肩甲上動静脈 迷走神経(頸動脈鞘内)
外頸静脈 内頸静脈(頸動脈鞘内)
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題32|後頸三角を通らないのはどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題32|後頸三角を通らないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手