学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0721

理由で解く 解剖学

Q0721 感覚器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題31
問題
コルチ器があるのはどの部位か。
選択肢
1 半規管
2 卵形嚢
3 球形嚢
4 蝸牛管
解答
正解4(蝸牛管)
解説
✗ 1. 誤り
半規管
半規管は内耳の骨迷路で、3本の管のループ状構造をとり、各膨大部にある膨大部稜が回転加速度を感受する。聴覚受容器であるコルチ器は存在しない。
✗ 2. 誤り
卵形嚢
卵形嚢は前庭にある膜迷路の袋で、内面の平衡斑が頭の傾きや水平方向の直線加速度を感受する。受容器は平衡斑であってコルチ器ではない。
✗ 3. 誤り
球形嚢
球形嚢も前庭にある膜迷路の袋で、平衡斑をもち主に垂直方向の直線加速度(重力)を感受する。卵形嚢とともに耳石器に分類されるが、コルチ器はない。
✓ 4. 正しい
蝸牛管
蝸牛管は蝸牛内の膜迷路で、内リンパで満たされ前庭階と鼓室階の中2階に位置する。床にあたる基底板上にコルチ器(ラセン器)が並ぶ。コルチ器は内有毛細胞・外有毛細胞・支持細胞・蓋膜・基底板から構成され、外リンパの振動が基底板を波打たせると、有毛細胞の感覚毛が蓋膜にこすれて屈曲し、機械刺激が電気信号に変換される。蝸牛神経の樹状突起がここに分布し、聴覚情報を蝸牛神経核へ伝える。基底板は蝸牛基部で狭く硬く高音応答、頂部で広く柔らかく低音応答という周波数局在性をもつ。
ポイント
  • コルチ器(ラセン器)は蝸牛管の基底板上にある聴覚受容器で、有毛細胞の機械刺激変換により音を電気信号に変える。
  • 覚え方のコツ: 「コルチは蝸牛管」「平衡斑は卵形・球形嚢」「膨大部稜は半規管」と3つの感覚装置と部位を一気にセットで覚える。
  • 関連知識: 蝸牛軸内には蝸牛神経のラセン神経節があり、双極神経細胞の樹状突起がコルチ器に分布。神経の名称は「ラセン神経節」「ラセン器(コルチ器)」と一致する。
  • よくある間違い: 「蝸牛」と「蝸牛管」を混同しがち。蝸牛は骨迷路名で前庭階・蝸牛管・鼓室階の3階を含むが、コルチ器が乗っているのは中2階の「蝸牛管」のみ。
  • 臨床応用: 老人性難聴は蝸牛基部のコルチ器有毛細胞の変性が先行するため、高音域から障害される(漸減型聴力像)。アミノグリコシド系抗菌薬は外有毛細胞を傷害し永続的な感音難聴を生じる。
比較表
受容器 部位 神経
コルチ器(ラセン器) 蝸牛管 蝸牛神経
平衡斑 卵形嚢・球形嚢 前庭神経
膨大部稜 半規管膨大部 前庭神経
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題31|コルチ器があるのはどの部位か。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題31|コルチ器があるのはどの部位か。
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