学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0627

理由で解く 解剖学

Q0627 神経系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題30
問題
浅指屈筋を支配する神経はどれか。
選択肢
1 尺骨神経
2 正中神経
3 橈骨神経
4 筋皮神経
解答
正解2(正中神経)
解説
✗ 1. 誤り
尺骨神経
尺骨神経が支配する前腕屈筋は尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半(環指・小指部分)の2筋に限られる。残りの前腕屈筋(円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋・深指屈筋橈側半・長母指屈筋・方形回内筋)はすべて正中神経支配であり、浅指屈筋もここに含まれる。
✓ 2. 正しい
正中神経
浅指屈筋は前腕屈筋群浅層に属し、上腕骨内側上顆・尺骨・橈骨から起こって第2-5指の中節骨基部に停止し、PIP関節を屈曲させる主動作筋である。正中神経(C7-T1)の支配を受け、これは前腕屈筋大部分が正中神経支配であるという原則の典型例である。手関節屈曲・手指屈曲を担う重要筋。
✗ 3. 誤り
橈骨神経
橈骨神経は前腕では伸筋群(手関節背屈筋・指伸筋・前腕回外筋)を支配する伸筋系の総帥神経で、屈筋系の浅指屈筋は支配しない。屈筋⇔伸筋の対で支配神経が分かれており、両者を混同しないことが重要である。
✗ 4. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は上腕屈筋群(上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋)の専属支配神経で、前腕に入ると皮膚感覚(外側前腕皮神経)のみを担う。前腕屈筋群への運動支配はなく、浅指屈筋とは関係がない。
ポイント
  • 浅指屈筋は前腕屈筋群浅層の代表で、第2-5指のPIP関節屈曲を担い、正中神経(C7-T1)の支配を受ける。
  • 覚え方のコツ: 「前腕屈筋=正中神経が原則。例外は尺側手根屈筋と深指屈筋尺側半(環・小指側)の2つだけが尺骨神経」と例外を限定的に覚える。
  • 関連知識: 浅指屈筋はPIP関節(近位指節間関節)を、深指屈筋はDIP関節(遠位指節間関節)を屈曲させる。両者の機能テスト分離が手指外傷時の損傷部位特定に有用。
  • よくある間違い: 浅指屈筋を「尺骨神経支配」と誤答しがち。尺骨神経の前腕筋支配は2筋(尺側手根屈筋+深指屈筋尺側半)に限定的であることを正確に覚える。
  • 臨床応用: 正中神経麻痺(手根管症候群が最多)では母指球萎縮(猿手)と橈側3.5指の感覚障害が出現するが、浅指屈筋は前腕近位で支配されるため手根管以遠の障害では温存される。
比較表
前腕屈筋 主な作用 支配神経
円回内筋 前腕回内 正中神経
橈側手根屈筋 手関節屈曲・橈屈 正中神経
長掌筋 手関節屈曲(弱) 正中神経
浅指屈筋 第2-5指PIP屈曲 正中神経
深指屈筋(橈側半) 第2-3指DIP屈曲 正中神経
深指屈筋(尺側半) 第4-5指DIP屈曲 尺骨神経
尺側手根屈筋 手関節屈曲・尺屈 尺骨神経
長母指屈筋 母指IP屈曲 正中神経
方形回内筋 前腕回内 正中神経
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題30|浅指屈筋を支配する神経はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題30|浅指屈筋を支配する神経はどれか。
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