学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0626

理由で解く 解剖学

Q0626 神経系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題35
問題
膝蓋腱反射の求心路に関与する神経はどれか。
選択肢
1 大腿神経
2 閉鎖神経
3 坐骨神経
4 外側大腿皮神経
解答
正解1(大腿神経)
解説
✓ 1. 正しい
大腿神経
膝蓋腱反射は膝蓋靱帯を叩打したときの大腿四頭筋の収縮による下腿伸展反応で、L2-L4髄節を経由する単シナプス反射(伸張反射)である。求心路(筋紡錘からのIa線維)も遠心路(α運動ニューロン)も大腿神経を介する。L4を主体とし、髄節レベル評価の重要な神経学的指標。
✗ 2. 誤り
閉鎖神経
閉鎖神経はL2-L4由来で腰神経叢から起こり、閉鎖管を通って大腿内側に出て内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋・薄筋など)と大腿内側皮膚の感覚を支配する。大腿四頭筋には関与せず、膝蓋腱反射の反射弓は構成しない。
✗ 3. 誤り
坐骨神経
坐骨神経は仙骨神経叢由来で大腿後面のハムストリングス(半腱・半膜様筋・大腿二頭筋)と下腿・足の筋群を支配する。膝蓋腱反射は大腿前面の大腿四頭筋反射であり、坐骨神経は反射弓に含まれない。アキレス腱反射(S1)が坐骨神経(脛骨神経)系の代表的反射である。
✗ 4. 誤り
外側大腿皮神経
外側大腿皮神経はL2-L3由来で腰神経叢から起こり、鼠径靱帯下を通って大腿外側の皮膚感覚のみを支配する純粋な感覚神経である。運動成分も筋紡錘からの求心線維も含まず、膝蓋腱反射には全く関与しない。圧迫で感覚異常性大腿痛を生じる。
ポイント
  • 膝蓋腱反射(patellar tendon reflex)はL2-L4髄節を経由する単シナプス反射で、求心路・遠心路ともに大腿神経が担う。
  • 覚え方のコツ: 「腱反射の番号は皆ペアで覚える」アキレス腱S1-S2、膝蓋腱L2-L4、上腕二頭筋C5-C6、上腕三頭筋C7-C8。
  • 関連知識: 単シナプス反射=筋紡錘Ia線維→脊髄前角α運動ニューロン直結。1ニューロン分の遅延しかなく潜時が短い。深部腱反射の亢進は錐体路障害(上位運動ニューロン障害)、消失は末梢神経・前角・筋障害(下位運動ニューロン障害)を示唆。
  • よくある間違い: 「膝蓋腱反射=坐骨神経」と下肢の代表神経で答えてしまう誤り。膝蓋腱反射は前面(大腿四頭筋)の反射で大腿神経、アキレス腱反射は後面(下腿三頭筋)で坐骨神経(脛骨神経)と対比して覚える。
  • 臨床応用: L4神経根障害(腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄)では膝蓋腱反射減弱・消失、大腿前面感覚障害、大腿四頭筋筋力低下が出現する。糖尿病性末梢神経障害でもアキレス腱反射と膝蓋腱反射が早期に減弱する。
比較表
深部腱反射 髄節レベル 求心・遠心神経
上腕二頭筋反射 C5-C6 筋皮神経
上腕三頭筋反射 C7-C8 橈骨神経
腕橈骨筋反射 C5-C6 橈骨神経
膝蓋腱反射 L2-L4 大腿神経
アキレス腱反射 S1-S2 脛骨神経(坐骨神経)
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題35|膝蓋腱反射の求心路に関与する神経はどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題35|膝蓋腱反射の求心路に関与する神経はどれか。
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