学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0113

理由で解く 解剖学

Q0113 循環器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題33
問題
下肢の動脈で拍動を触れるのはどれか。
選択肢
1 前脛骨動脈
2 後脛骨動脈
3 内側足底動脈
4 外側足底動脈
解答
正解2(後脛骨動脈)
解説
✗ 1. 誤り
前脛骨動脈
前脛骨動脈は下腿前面を下行し、足関節前方で足背動脈に移行する。本幹自体は下腿筋に覆われ直接触知できず、その延長の足背動脈が第1・第2中足骨間で拍動触知の部位となる。
✓ 2. 正しい
後脛骨動脈
後脛骨動脈は下腿屈筋群の深層を下行し、内果(内くるぶし)の後下方で屈筋支帯の下を通る。この部位は皮下の浅い位置で脛骨を背景に拍動が明瞭に触れる代表的触知点で、足関節〜足部の動脈血行評価や下肢閉塞性動脈硬化症の診察で日常的に用いられる。足底動脈(内側・外側)はこの後脛骨動脈の終枝として足底深部を走るため体表触知はできず、体表で脈を触れるのは後脛骨動脈本幹である。
✗ 3. 誤り
内側足底動脈
内側足底動脈は後脛骨動脈の終枝として足底に入り、母趾外転筋・短趾屈筋の深層を走る。足底筋群と足底腱膜に覆われているため体表から拍動を触れることはできない。
✗ 4. 誤り
外側足底動脈
外側足底動脈も後脛骨動脈の終枝で、足底深部を斜めに走行して深部足底動脈弓を形成する。足底筋と脂肪組織に埋まり体表触知は困難で、拍動を触れる標準部位にはならない。
ポイント
  • 下肢で脈を触れる代表部位は大腿動脈(鼠径靱帯下)・膝窩動脈・後脛骨動脈(内果後下方)・足背動脈(足背中央)。
  • 覚え方のコツ: 「ダイ・シツ・コウ・ソクハイ」の4か所で順に触診すると下肢動脈の通り道を一筆で追える。
  • 関連知識: 後脛骨動脈は膝窩動脈→脛骨-腓骨動脈幹→後脛骨動脈と分岐し、足根管内を通って内外の足底動脈となる。
  • よくある間違い: 足底動脈を体表で触知できると思い込む。足底は深層を走るため触れず、触知可能なのは体表に出る後脛骨動脈と足背動脈。
  • 臨床応用: 閉塞性動脈硬化症(ASO)では後脛骨動脈・足背動脈の拍動消失が末梢動脈疾患の代表所見。両部位の触知は下肢血行評価の基本診察項目である。
比較表
触知部位 動脈 目印
鼠径部 大腿動脈 鼠径靱帯中点
膝窩 膝窩動脈 膝裏中央(膝軽度屈曲)
内果後下方 後脛骨動脈 内くるぶし後下方
足背 足背動脈 第1・2中足骨間、長母趾伸筋腱外側
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題33|下肢の動脈で拍動を触れるのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題33|下肢の動脈で拍動を触れるのはどれか。
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