学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0114

理由で解く 解剖学

Q0114 循環器系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題28
問題
脾臓に血液を送る動脈はどれか。
選択肢
1 腹腔動脈
2 上腸間膜動脈
3 下腸間膜動脈
4 腰動脈
解答
正解1(腹腔動脈)
解説
✓ 1. 正しい
腹腔動脈
腹腔動脈は横隔膜直下で腹大動脈前面から分枝し、直ちに左胃動脈・脾動脈・総肝動脈の3枝に分かれる。このうち脾動脈は膵臓上縁を蛇行しながら左方へ走行し、脾門から脾実質に入って脾臓を栄養する。したがって脾臓への直接の栄養源は腹腔動脈→脾動脈である。脾動脈はさらに分枝して膵臓の膵枝、胃底部の短胃動脈、大弯左半の左胃大網動脈なども出し、上腹部の重要な動脈幹となる。
✗ 2. 誤り
上腸間膜動脈
上腸間膜動脈は膵頭下部・空腸・回腸・右半結腸(〜横行結腸)を支配する動脈で、脾臓には枝を出さない。中腸由来臓器の動脈として系統が分かれる。
✗ 3. 誤り
下腸間膜動脈
下腸間膜動脈は下行結腸・S状結腸・直腸上部を養う動脈で、後腸由来の大腸後半部が分布域。脾臓とは解剖学的にも発生学的にも関係がない。
✗ 4. 誤り
腰動脈
腰動脈は腹大動脈の両側から4対で出る有対性壁側枝で、後腹壁の脊柱周囲筋や皮下組織を栄養する。胸部の肋間動脈に相当する血管で、脾臓などの臓器には分布しない。
ポイント
  • 脾臓は腹腔動脈の3枝のうち脾動脈から栄養される。脾門は膵尾と隣接。
  • 覚え方のコツ: 腹腔動脈の3枝「左胃・脾・総肝」を「サイ・ヒ・ソウカン」と1セットで記憶。脾動脈は膵を左行して脾門に入る。
  • 関連知識: 脾臓から戻る血液は脾静脈となり、上腸間膜静脈と合流して門脈を形成する。
  • よくある間違い: 脾動脈を上腸間膜動脈の枝と誤認しやすい。脾動脈は腹腔動脈の枝で、系統が異なる。
  • 臨床応用: 脾動脈瘤は内臓動脈瘤の中で最多で、妊娠女性での破裂はショックを起こす。脾摘出時は脾動静脈の結紮が必要で、膵尾損傷に注意する。
比較表
腹腔動脈の枝 主な分布
左胃動脈 胃小弯上方、食道下部
脾動脈 脾臓、膵体尾、胃底(短胃)、胃大弯左(左胃大網)
総肝動脈 肝臓、胆嚢、胃小弯下(右胃)、十二指腸・膵頭(胃十二指腸)
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題28|脾臓に血液を送る動脈はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題28|脾臓に血液を送る動脈はどれか。
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