学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0115

理由で解く 解剖学

Q0115 循環器系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題26
問題
動脈とその分布域との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 腹腔動脈 ― 胃
2 上腸間膜動脈 ― 直腸
3 腎動脈 ― 精巣
4 下腸間膜動脈 ― 卵巣
解答
正解1(腹腔動脈 ― 胃)
解説
✓ 1. 正しい
腹腔動脈 ― 胃
腹腔動脈は左胃動脈・脾動脈・総肝動脈の3枝に分かれ、胃小弯(左胃・右胃動脈)、胃大弯(左右胃大網動脈)、胃底(短胃動脈)と全周にわたって胃を栄養する。組合せとして最も典型的で、腹腔動脈=上腹部(胃・十二指腸・肝・胆・膵・脾)の支配という原則を代表する例である。
✗ 2. 誤り
上腸間膜動脈 ― 直腸
上腸間膜動脈は膵・小腸全域から大腸前半部(横行結腸まで)を支配する。直腸は下腸間膜動脈(上直腸動脈)と内腸骨動脈(中・下直腸動脈)の支配であり、上腸間膜動脈は関与しない。
✗ 3. 誤り
腎動脈 ― 精巣
腎動脈は第1腰椎の高さで腹大動脈から出る有対性の臓側枝で、腎臓を支配する。精巣は腎動脈ではなく、腎動脈起始部よりやや下方で腹大動脈側面から出る精巣動脈(性腺動脈)が栄養する。
✗ 4. 誤り
下腸間膜動脈 ― 卵巣
下腸間膜動脈は下行結腸・S状結腸・直腸上部を支配する動脈で、卵巣には分布しない。卵巣を栄養するのは腹大動脈から有対性に出る卵巣動脈(性腺動脈)である。支配系統も発生由来も異なる。
ポイント
  • 腹大動脈の3本の消化管無対性臓側枝は、腹腔動脈(前腸:胃・十二指腸・肝胆膵脾)、上腸間膜動脈(中腸:膵・小腸・右半結腸)、下腸間膜動脈(後腸:左半結腸・直腸上部)。
  • 覚え方のコツ: 「前・中・後腸」と「上・中・下腹部」で発生学的区分と成人臓器を対応させると記憶が安定する。
  • 関連知識: 性腺動脈(精巣・卵巣動脈)は腹大動脈直接枝で、腎動脈より下方で分岐する有対性臓側枝。
  • よくある間違い: 腎動脈を性腺動脈と混同しやすいが、腎は泌尿器・性腺は生殖器で別系統。
  • 臨床応用: 上腸間膜動脈閉塞では空回腸・右半結腸の広範な虚血壊死が起こり、急性腹症となる。下腸間膜動脈は側副路が豊富で慢性閉塞でも症状が出にくい。
比較表
動脈 分布域
腹腔動脈 胃、十二指腸上部、肝、胆、膵、脾
上腸間膜動脈 膵頭下部、小腸、右半結腸〜横行結腸
下腸間膜動脈 下行結腸、S状結腸、直腸上部
腎動脈 腎臓、副腎下部
性腺動脈 精巣/卵巣
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題26|動脈とその分布域との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題26|動脈とその分布域との組合せで正しいのはどれか。
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