
この図の解説
図は胸大動脈(下行大動脈の胸部)とその枝を示す。まず右上の一覧表に注目すると、枝が「壁側枝(有対性)」と「臓側枝(無対性)」の2群に大別されていることが読み取れる。図の右側では第3~第11肋間動脈が肋骨に沿って規則正しく並び、これらが壁側枝の代表であることがわかる。壁側枝にはほかに肋下動脈・上横隔動脈が含まれ、いずれも大動脈の両側から左右対をなして分枝する。肋間動脈は各肋間で肋骨の下縁に沿って走る。一方、図の中央から前方へ出る気管支動脈・食道動脈は臓側枝で、大動脈の前方より出て左右の対をなさない(無対性)。気管支動脈は気管支に沿って肺に進入し、肺の栄養血管となる点が国試頻出。胸大動脈は脊柱前面を下行し、横隔膜の大動脈裂孔を貫いて腹大動脈へと移行する。
学習の要点
- 胸大動脈の枝=壁側枝(有対性)と臓側枝(無対性)の2群。壁側枝=肋間動脈・上横隔動脈、臓側枝=食道動脈・気管支動脈。
- 覚え方のコツ: 「壁は対(つい)、臓は無対」。壁側枝は大動脈の両側から左右対に、臓側枝は前正中から無対に出る、と方向で結びつける。
- 関連知識: 気管支動脈は肺の栄養血管。ガス交換を担う機能血管は肺動脈・肺静脈であり、別系統である。肋間動脈は肋骨下縁を走る。
- よくある間違い: 気管支動脈を肺の「機能血管」と取り違える誤り。肺胞でのガス交換に関与するのは肺動脈系で、気管支動脈は肺実質そのものを養う栄養血管。
- 臨床応用: 胸大動脈由来の肋間動脈は第3肋間以降。上位(第1・2)肋間は鎖骨下動脈系(最上肋間動脈)が支配する点に注意。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
胸大動脈の臓側枝(無対性)は、食道動脈と( )である。
答えを見る
答え: 気管支動脈
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。