学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0116

理由で解く 解剖学

Q0116 循環器系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題27
問題
肺の栄養動脈を分枝するのはどれか。
選択肢
1 肺動脈
2 胸大動脈
3 総頸動脈
4 腋窩動脈
解答
正解2(胸大動脈)
解説
✗ 1. 誤り
肺動脈
肺動脈は右心室から肺に向かう「機能血管」で、ガス交換のための低酸素血を肺胞毛細血管に運ぶ。肺組織自身の代謝に使う栄養血管ではない。肺は栄養血管と機能血管を持つ二重支配臓器である。
✓ 2. 正しい
胸大動脈
肺実質そのものを養う栄養血管は気管支動脈で、胸大動脈の前面から無対性臓側枝として出る。気管支動脈は気管支壁に沿って肺門から肺内に入り、気管支・細気管支・肺間質・胸膜を栄養する。肺胞ガス交換を担う肺動脈(機能血管)とは役割・由来が完全に異なり、栄養と機能で血行を分業するのが肺の特徴である。教科書で「胸大動脈の臓側枝=食道動脈・気管支動脈」と整理されるのはこの仕組みに基づく。
✗ 3. 誤り
総頸動脈
総頸動脈は頭頸部(脳・顔面・頭皮)を栄養する動脈で、肺や胸腔臓器には分布しない。分枝は甲状軟骨の高さで内頸・外頸動脈に限られる。
✗ 4. 誤り
腋窩動脈
腋窩動脈は鎖骨下動脈の延長で上肢の動脈本幹であり、胸壁や上肢筋群には枝を出すが肺自体には分布しない。肺の栄養動脈として関与することはない。
ポイント
  • 肺の栄養血管は気管支動脈で、胸大動脈から分枝する。機能血管は肺動脈(右心室から)。
  • 覚え方のコツ: 「機能は肺動脈/栄養は気管支動脈」と2系統を対比して暗記。二重血行支配は肺と肝臓の特徴。
  • 関連知識: 気管支動脈は胸大動脈の臓側枝(食道動脈・気管支動脈は無対性)として起こり、肺門から気管支に沿って肺内に入る。
  • よくある間違い: 肺動脈が肺を栄養していると誤解する。肺動脈はガス交換の場に血を運ぶだけで、肺組織の酸素需要は気管支動脈が供給する。
  • 臨床応用: 肺塞栓症で肺動脈が閉塞しても気管支動脈の側副血行があるため肺梗塞は起こりにくい。喀血の大半は気管支動脈系からの出血で、気管支動脈塞栓術が止血に用いられる。
比較表
血管 由来 役割
肺動脈 右心室 機能血管(ガス交換)
肺静脈 肺胞毛細血管 動脈血を左心房へ
気管支動脈 胸大動脈 栄養血管(肺実質)
気管支静脈 肺門 奇静脈系・肺静脈へ還流
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題27|肺の栄養動脈を分枝するのはどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題27|肺の栄養動脈を分枝するのはどれか。
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