学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0117

理由で解く 解剖学

Q0117 循環器系

出典:鍼灸 第9回(2001) 問題21
問題
下肢の動脈について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 貫通動脈は大腿深動脈から分岐する。
2 大腿動脈は大腿三角を通る。
3 前脛骨動脈は膝窩動脈から分岐する。
4 足背動脈は後脛骨動脈の延長である。
解答
正解4(足背動脈は後脛骨動脈の延長である。)
解説
✗ 1.
貫通動脈は大腿深動脈から分岐する。
✗ 正しい。 大腿深動脈は大腿三角で大腿動脈から分枝し、大腿内側を下行しながら貫通動脈(通常3本)を分枝する。貫通動脈は大内転筋を貫いて大腿後面の筋群を栄養する。したがって「貫通動脈は大腿深動脈から分岐する」は正しい。
✗ 2.
大腿動脈は大腿三角を通る。
✗ 正しい。 大腿動脈は鼠径靱帯の血管裂孔から入り、鼠径靱帯・縫工筋・長内転筋で形成される大腿三角(スカルパ三角)を縦走する。この三角内で大腿深動脈を分枝し、体表から拍動を触知できる部位でもある。記述は正しい。
✗ 3.
前脛骨動脈は膝窩動脈から分岐する。
✗ 正しい。 膝窩動脈は大腿動脈の延長として膝裏を下行し、ヒラメ筋腱弓の下で前脛骨動脈と脛骨-腓骨動脈幹に分かれる。前脛骨動脈は骨間膜を前方に貫いて下腿前面に出るので、膝窩動脈の枝として正しい記述。
✓ 4. 誤り
足背動脈は後脛骨動脈の延長である。
足背動脈は前脛骨動脈が足関節前方(下伸筋支帯の下)を通過した延長である。後脛骨動脈の延長は内果後下方で足根管を通り、足底で内側・外側足底動脈に分かれる。したがって「足背動脈は後脛骨動脈の延長」は誤り(=正解)。足背動脈は第1・第2中足骨間で拍動を触知する代表的部位で、前脛骨動脈系の動脈名の変化として覚える必要がある。臨床で下肢動脈評価を行う際、前脛骨→足背、後脛骨→足底と2系統を別々に追うことが基本である。
ポイント
  • 外腸骨動脈→大腿動脈(鼠径靱帯下)→膝窩動脈→前脛骨+後脛骨動脈の階層で下肢動脈を追う。
  • 覚え方のコツ: 「前脛骨は前に出て足背へ/後脛骨は後ろを通って足底へ」と走路と終着で分ける。
  • 関連知識: 大腿深動脈は大腿動脈最大の枝で、内側/外側大腿回旋動脈と3本の貫通動脈を出す。
  • よくある間違い: 足背動脈と後脛骨動脈の所属系統を取り違える。足背=前脛骨、足底=後脛骨と結びつけて覚える。
  • 臨床応用: 末梢動脈疾患(PAD)では足背動脈と後脛骨動脈の拍動触知が第一スクリーニング。ABI(足関節上腕血圧比)の測定にも用いる。
比較表
動脈 由来 走行/終末
大腿動脈 外腸骨動脈の続き 大腿三角→内転筋管
膝窩動脈 大腿動脈の続き 膝窩→前脛骨+脛腓幹
前脛骨動脈 膝窩動脈 下腿前面→足背動脈
後脛骨動脈 脛腓幹 下腿後面→足底動脈
解説画像
鍼灸 第9回(2001) 問題21|下肢の動脈について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第9回(2001) 問題21|下肢の動脈について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手