
この図の解説
図は下垂体前葉が視床下部に支配される仕組みを、血管の流れで示している。まず視床下部の隆起核などにある神経細胞から放出ホルモン・抑制ホルモンが分泌され(①)、上下垂体動脈が漏斗でつくる第一次毛細血管網に入る。ここから血液は下垂体門脈という数本の小静脈となって下降し、前葉で第二次毛細血管網をつくる。この一次と二次の毛細血管網をつなぐ門脈系が「下垂体門脈系」で、視床下部ホルモンを直接前葉へ運ぶ専用ルートである。運ばれたホルモンが前葉の内分泌細胞を刺激し(②)、前葉ホルモンが血中へ分泌される(③)。前葉は染色性から6種類の細胞に分けられ、成長ホルモン(GH)・プロラクチン(PRL)・甲状腺刺激ホルモン(TSH)・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)・卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体形成ホルモン(LH)の6種を分泌する。図中の後葉が門脈網を持たない点と対比して見るとよい。
学習の要点
- 前葉は視床下部の放出/抑制ホルモンを「下垂体門脈系」を介して受け取り、6種類の前葉ホルモンの分泌が調節される。
- 覚え方のコツ: 前葉ホルモン6つは「FLAT-PG」=FSH・LH・ACTH・TSH・PRL・GH。うち上位内分泌腺を刺激するのはTSH・ACTH・FSH・LHの4つ。
- 関連知識: 後葉(神経性下垂体)は視索上核・室傍核でつくられたオキシトシン・バゾプレッシンを蓄えて放出するだけで、門脈系を介さず前葉とは仕組みが全く異なる。
- よくある間違い: TSHとACTHには対応する視床下部の「抑制ホルモン」はなく、放出ホルモン(TRH・CRH)のみで調節される。GHとPRLには抑制ホルモン(GIH・PIH)がある点と混同しない。
- 臨床応用: 門脈系や下垂体柄が腫瘍などで障害されると、プロラクチンは抑制が外れて上昇し、他の前葉ホルモンは低下しやすい。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。