学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ F. 大脳 / Q0522

理由で解く 解剖学

Q0522 神経系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題29
問題
左右の大脳半球を結ぶ線維はどれか。
選択肢
1 投射線維
2 弓状線維
3 交連線維
4 連合線維
解答
正解3(交連線維)
解説
✗ 1. 誤り
投射線維
投射線維は大脳皮質と下位中枢(間脳・脳幹・小脳・脊髄)を上下に連絡する線維で、左右半球を結ぶものではない。代表例は内包(視床放線・皮質脊髄路が通る)や大脳脚である。
✗ 2. 誤り
弓状線維
弓状線維は同一半球内で隣接する大脳回どうしを短く連絡する連合線維(短連合線維)であり、左右半球を結ぶものではない。U字形に脳溝の底を跨ぐことから弓状線維と呼ばれる。
✓ 3. 正しい
交連線維
交連線維は左右の大脳半球の皮質を結ぶ線維で、大脳髄質を走る3種類の線維(連合・交連・投射)のうち左右連絡を担当する。最大の交連線維束は脳梁で、左右の半球を広く橋渡しする。その他、前交連は両側側頭葉の下面を連絡し、海馬交連は左右の海馬・脳弓を結ぶ。脳梁は前方から嘴部・膝部・幹部・膨大部に区別され、前頭葉・頭頂葉・後頭葉の各線維が定位を持って通る。
✗ 4. 誤り
連合線維
連合線維は同一半球内の皮質間を結ぶ線維で、左右半球を結ぶものではない。短連合線維(弓状線維)と長連合線維(上縦束・下縦束・鉤状束・帯状束など)がある。
ポイント
  • 大脳白質の3種類の線維:①連合線維(同側皮質間)②交連線維(左右半球間)③投射線維(皮質と下位中枢間)。左右連絡は交連線維。
  • 覚え方のコツ: 「連合=同側、交連=左右、投射=上下」と方向で区別する。最大の交連線維=脳梁、最大の投射線維=内包と代表例もセットで記憶。
  • 関連知識: 交連線維の代表:脳梁(最大)、前交連、海馬交連。脳梁は前から嘴部・膝部・幹部・膨大部の4部に分けられ、視覚情報は膨大部を通る。
  • よくある間違い: 弓状線維を「左右をまたぐ」と誤解しやすい(実際は同側内の短連合)。内包を「左右連絡」と誤るのも頻出ミス(内包は投射線維)。
  • 臨床応用: 難治性てんかんに対する脳梁離断術では左右半球間の伝播を遮断する。脳梁切断例では左右半球の情報統合が障害され「分離脳症候群」が生じる。
比較表
線維の種類 連絡方向 代表例
連合線維 同一半球内の皮質間 弓状線維(短)、上縦束・下縦束・鉤状束(長)
交連線維 左右の半球間 脳梁(最大)、前交連、海馬交連
投射線維 皮質と下位中枢間 内包、放線冠、大脳脚
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題29|左右の大脳半球を結ぶ線維はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題29|左右の大脳半球を結ぶ線維はどれか。
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